クリ

泥棒野郎のクリのレビュー・感想・評価

泥棒野郎(1969年製作の映画)
3.5
ウディ・アレンとは縁が無く、恥ずかしながら監督作は初めての鑑賞。
結論から言うと、笑えるけどもそれだけの映画。

結局のところ映画というのは、作為に違和感を抱いてしまった時点で終わりだと思っている。
作為を感じ取らせるな、とは言わない。
あえて作為を見せるものもあるし、そういうものに限って違和感を持つことは、シュルレアリズムと息をするかのように口にする見様見真似の学生贋作映画とかでない限りは、まずない。
むしろそこに心地よさを感じるから。
この映画のギャグはほとんどその「嫌な」作為の塊と言っていい。
「ここ笑いどころですよ」と言わんばかりのアヴァンギャルドなギャグがまったく緩急も無しに、バーゲンセールのように押し寄せる。
おまけに、徹底的に主人公(アレン)を卑下するナルシシズムがいちいち鼻についた。
しかしまぁ、人物の繋がりの温かみというか、登場する人間全員がどこか優しさに溢れていて、人間美学を感じさせるものはあったし、カット割りの大胆さもハマっていたのでその点は良かったか。