るるびっち

ボクの妻と結婚してください。のるるびっちのレビュー・感想・評価

2.2
主人公がモラハラ体質に見える。
モラハラの特徴と思えるものは・・・
①ナルシスト
②相手の話を聞かない
③自分の考えに固執する(自分ルールがある)
④相手をコントロールしたがる
⑤相手のためにやっていると説得する
⑥相手の気持ちは眼中にない
⑦自分の方が、むしろ被害者だと感じている
全て主人公に当てはまる。
癌で余命半年と知った織田裕二扮する主人公は、妻子が路頭に迷う妄想を勝手にして、養ってくれる妻の再婚相手を探す。
つまり自分にとって都合の良い相手を探すのだ。

その際、一切家族には相談せず余命の件も内緒にする。
せめて妻に選ばせればと思うが、自分が見込んだ男に間違いはないと信じ込む。妻の好みは眼中にない。
原田泰造扮するターゲットの男性が、なぜ自分を選んだのか訊くと、
「あなたと妻が幸せそうにしてるところが(妄想)見えたんです、見えちゃったものは仕方ないですよね」
と、他人の人生を左右することに自分の勝手な妄想のみで判断する。
判断の中に相手の意見は含まれない。自分ルールが絶対。

主人公は放送作家で、「苦しいを楽しいに変える」がモットー。
「楽しくなければテレビでも人生でもない」のである。
但し、自分にとっての楽しいに過ぎない。
またサプライズ企画が得意で、奇想天外・非常識を旨とする。

しかし妻や再婚相手が嫌がる訳ではないので、ハラスメントではない。
これは加害者側の視点・・・もとい、主人公の視点で描かれているので公平ではない。それに相手の言論を封鎖している。
妻は才女・聖女として持ち上げられているので、愚痴や反論が難しい。
再婚相手も「僕の妻と結婚すれば、あなたはきっと幸せになれます」と、例の「あなたのため」を力説するし、更に否定すれば他人の妻を否定する事なので、やはり反論し辛い。
とは言え、サプライズが成立するのは受け手次第だ。
つまり、サプライズにはヤラセがつきものだ。
ドッキリ番組の芸人は皆、リアクション上手である。

放送作家が主人公らしく、安いヤラセ感動を売っている。
妻を他人と結婚させる奇想天外から感動を生もうという、いかにもテレビマンが考えそうな話である。原作者も放送作家なのだ。そして得意の手の内はヤラセである。未だに業界人は懲りていないようだ。

『僕の妻と結婚してください』とあるが、再婚準備で離婚するので、
『僕の元妻と結婚してください』が正しい。
もう彼の妻ではないのに、自分のものだと主張している。
自分の所有物だからこそ価値があると言いたげだ。
やはりモラハラ体質に見える。
本当は妻子の将来の為でなく、人生最後の花道として一世一代のサプライズをやりたかっただけではないのか? 
それが放送作家の性(さが)だろう。

もう、映画そのものが観客へのモラハラだ‼
癌宣告で被害者意識の強い男による、妻子の為という例の説得で、観客をコントロールしているのだ。
善人ぶってるが(追加:⑧自分を良くみせようとする)実態はモラ夫なので、実はモラ夫から逃れて再婚する為の妻のヤラセだったのではないか?

自分ルールの夫と離婚するには、逆に夫のルールに沿った方が上手く行く。奇想天外・非常識をモットーとする夫なので、彼に全てを任せるフリで実は結婚相談所の所長に裏で妻が相談していて、夫が選んだように見せて本当は所長と一緒に再婚相手を密かに選んでいた。
そうとも知らず、余命を使って必死に夫は妻を再婚させた‼
モラ夫への復讐を含む、幸せ再婚計画‼
そんな妻のヤラセだったら、本当にサプライズだ🤪💦
るるびっち

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