おとうちゃん

ボクの妻と結婚してください。のおとうちゃんのレビュー・感想・評価

3.0
ガンは すい臓で起きている!

突然の末期ガン宣告...余命6ヶ月。
バラエティ番組の企画担当、三村修治(織田裕二)。放送作家は世の中の悲しみを楽しみに変換する仕事。
残された命を愛する妻(吉田羊)の笑顔の為に費やしたいと、持ち前のテレビマン精神を自身の終末期に持ち込んだ、勘違い野郎の物語。

余命を宣告されたら、死んでいく自分の命など どうでも良い。
自分が いなくなっても、残された愛する妻と息子が笑って暮らしていけることを最優先に考えるのは、大黒柱なら当たり前。

「もし、浮気するなら妻としたい」...妻をそこまで愛してるなら、やり方が間違っている。

奇想天外、最高にバカバカしくて...でも最後には ほのぼのさせる企画。
『僕の妻と結婚してください』
残された家族の気持ちを全く考えていない、なんて素っ頓狂で身勝手な思いつき。

同時期に公開された『湯を沸かすほどの熱い愛』も同じように余命を宣告された親の物語だが、あちらは残された時間を自分が居なくなっても子供たちが生きていける強さと、道に迷わないように道しるべを残すことに集中した。

しかし本作の主人公は、こともあろうに死んだ後の家族構成を無理矢理プロデュースしようとしてる。

「あなたの命、足りないなら私のを使ってよ」...絵に書いたような模範的な妻と息子、裕福そうな家。
主人公に言いたい。
「そんな余計なことをしなくても、この家族は心配いらないよ」

共感できない内容に、ずっとイライラしながら観ていた。

ラスト・・・全てが腑に落ち、イライラが跡形もなく消え去る瞬間までは!

まさかタイトルがフェイクになっていようとは...