事実は小説よりも奇なり、というけど、誰かの日常生活そのものを凝視するという体験はなかなか無いもの。
もちろん日常の中にだって、大なり小なり、思いもかけないような事件が起こる。そういうものもしっかり写ってる。
そして、これまでの作品と同様、皮肉というか、ブラックユーモアというか、人間って滑稽だなあと人の振り見て我が振りを見返すような感覚も。
だけど、あたりまえだけど、観察されたい人間なんていない。観察映画という手法の意味や意義は理解できても、どうしてもその暴力性に気持ちいい思いはしなかった。
シークエンスをつなげていくだけの制作手法も、だんだんと単調さがわざとらしくなってきてるような気がする。
引きで撮った海や街のカットの連続とか、それいる?って感じだし、同じ場面の繰り返しとかも、、、
グローバリゼーションやらなんやらという解釈で語られているけど、わたしはそれをここから読み取ることは過剰のような気もする。
それ以上でも以下でもない他人の日常。
相変わらず資料的な意味で興味深くても、映画として鑑賞するには無理のある作品だった。