SatoshiFujiwara

魔女 女だけでのSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

魔女 女だけで(2009年製作の映画)
4.1
久方ぶりに観るストローブ(ユイレが亡くなったあとの作品ゆえストローブ=ユイレ、ではないが…)。かつてほどの構図の厳格さはうすれているが、やはりストローブだ。登場人物2人(1人は女神役だが)の視線に注目。さいしょに右側にいる魔女キルケーから女神レウコテアーにカットが切り替わると(この人物配置のフレーミングもすごいが)、顔と視線が対話しているはずの相手の反対を向いている。このカット間の断絶が強烈。キルケーも然りで、顔の方向と視線の向き(交わることはない)それ自体が体自体はまったく動かないこの対話の中に小さなスリリングさを導入している。また、ベートーヴェンの「ディアベッリ変奏曲」をタイトルでいきなり流し、主題が終わって映画が始まるとおもいきや、黒味のまま第1変奏までまるまる聴かせる意表をついたジョークにはニヤけるしかない(「ディアベッリ変奏曲」じたいがベートーヴェンのユーモアと皮肉さがよくあらわれた曲だし)。