踊る猫

踊る猫の感想・レビュー

4.1
「おっ! ラース・フォン・トリアー!?」と思わせる管弦楽器とスローモーションの結びつき、並びにせっかちなカメラワークは美しい。しかし、スマホの導入(それは撮影の媒体としても登場するので、これ自体は極めて野心的な試みだと思うが)や SNS での出会い、代理出席等など「リアル」な素材を用いながらファンタジックで激甘な「アンリアル」を描き出すところでジレンマに陥っているように思われる。言うなれば二本の映画(前半は主人公の離婚という悲劇、後半は許されざる結婚というロマンス)を繋いだかのような違和感が段々拭い去れなくなって結果的にこの点数になった。前半のスリルが見事だっただけに惜しまれる。悪意があるのかないんだか分からないキャラクター(アムロ)の行動もその「無理矢理」っぽさに色を加えているかのような……ただどっしりした安定感は流石としか言いようがない。これこそが岩井俊二作品の持ち味なのだと言われればそれまでなのだけれど……。