しんたろー

リップヴァンウィンクルの花嫁のしんたろーのレビュー・感想・評価

4.1
岩井俊二の描く優しい色合いと空気感、胸を締め付けるような辛辣さと切なさ、相容れないはずの二つが見事に共存している不思議な世界。
だからこそあまりにも現実的であまりにも非現実的。
黒木華演じる七海が魅せる純真無垢な裏のない表な部分と、綾野剛演じる安室に漂う漆黒なまでに表のない裏の顔。二者のキャラクター性が交互に登場することによって、そして両者のどちらもの特性をあまりにも狂気的に共存させたCocco演じる真白が中盤より登場することによって、この物語はギリギリの均衡を保っている。
リアリティとファンタジーを内包した世界観こそがまさにリップヴァンウィンクルということなのだろう。
結局岩井俊二の作品は、良い。
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