あすか

リップヴァンウィンクルの花嫁のあすかのレビュー・感想・評価

3.0
映像美がすごい。
儚さ、透明感、色彩、光、そういうバランスが美しくて、日常の綺麗な部分を丁寧に丁寧に切り取ったような。
そんな中で繰り広げられるキャストの演技が素晴らしくて、素人目に見ても上手い人たちなんだろうなと感じます。
最初の方は主人公にイライラしっぱなしで、もやもやしたものが続きました。はっきり言ってやんなよ!あんた!と肩をゆすりたくなる。別に終盤すっきりしたかと言われるとそうでもないし、あの性格はないわー、リアルだわーとつい嘆いてしまう。
でもあんな風に出会った人を心から信頼して、愛を受け止めてあげられるのはすごいなあと思った。わたしなら重たくて耐えられない。あとメイド服姿最高。

とにかく生きにくく生きている人たちの話で、そんな生きにくい人たちを囲む綾野剛の敏腕ぷりが清々しい。あの人を丸め込む話し方、誰しもがどこかできいたことあるんじゃないかな。話の上手い男の人の話し方というか、詐欺師の話し方というか。綾野剛の怪しさ胡散臭さが存分に使い込まれていて最高。うまい話には裏があるんですよね。
いやーーーこの綾野剛ほんっとかっこいい。

話の謎めいた部分の説明というか、そういうのが割と自然でうまく見え隠れして後半どんどん面白みが増しました。でも苦しい。いずれにしても苦しい映画でした。
黒木華さんの透明感よ。白い肌に黒い髪、まあ映える映える。

全体を通して流れる結婚式定番クラシック。それがたまらなくて、これから結婚式に参列する度に益々胸が締め付けられる。
ゆったりとした地獄みたいな映画でした。良かったけど2回は観れないタイプのやつ。
あすか

あすか