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リップヴァンウィンクルの花嫁のcomaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この時代、snsとインターネットとお金があればなんでも揃う。
虚構で塗り固めた結婚式の白々しさは、悪趣味なほど。こんな結婚式よくあるけど、誰が喜ぶんだろう?って思うやつ。エキストラの親族におふざけの余興、子役を使った小芝居。
でっち上げの離婚劇もそう。スマホひとつで結婚して離婚できる現代って怖すぎないか。
「死んでくれる相手」の依頼を受けて、安室はどこから七海に目をつけ始めたのだろうか。最初から?別れさせ、の依頼が入ってから?結婚式の合間、執拗にななみを観察していた目線が気になる。親戚が偽物だと、義理の母にリークしたのは安室?…だとしたら、本当に鬼、悪魔。(誉め言葉)
徹底的に追い込まれて逃げ込んだ洋館での暮らしはあまりに牧歌的で、岩井ワールド全開で心地よかったです。coccoのこと、もう一度撮りたかったんだなってよくわかりました。とても美しかった。

二人の結婚式、透明のリング、洋館でのパーティー、そして最期の初夜。
あの地獄のような結婚式とはまるでちがう、幸せな世界に鳥肌がたつ。
ななみの表情の柔らかさが、もう菩薩のようでした。
シーンは前後しますが、七海が真白を思って涙を流す。この涙のためなら、死んだっていい。と漏らす真白が切なくて忘れられない。

真白の母と、安室と、七海のシーン。
私は安室は、あの瞬間だけはあらゆる意味で裸になったって信じたい。
既に真白に対して裸で向き合った七海は脱がなかったんですよね。だから、あの裸だけは裏がないって信じたい。

たっぷり三時間、揺さぶられて疲れた。
それでもすぐレビューを書きたくなった。このあとは、みなさんの裸のレビューを読ませて頂きたい。
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