SatoshiFujiwara

おお至高の光のSatoshiFujiwaraのレビュー・感想・評価

おお至高の光(2009年製作の映画)
4.2
冒頭にいきなりエドガー・ヴァレーズの「砂漠」(しかもヘルマン・シェルヘン指揮の1954年初演ライヴというこだわり)が流れ、タイトルが終わっても延々と黒味のままこの「騒音音楽」(なので、客がヤジったりゲラゲラ笑う声も入っている)を流し続ける。映画を観に来た客に対して何も映っていない黒味を流したまんまで訳のわからん音楽をひたすら聴かせるというストローブ(撮影時76歳)の相も変わらずのとんがりぶりに敬服するしかない。こういうことをやるから、いやでも映画の原理的・根源的側面について観客は考えざるを得なくなる。しかしテクストのダンテの「神曲」とヴァレーズになんの関連があるのかはまったくわからん(笑)。デジタルとはいえレナート・ベルタの撮影は実に美しく、朗読の合間に「ストローブ印」のパン(これはストローブがよくやるのだが、これがたんなる「様式」に陥っていないのがすごい)が冴え渡る。