SadaoMio

戦国自衛隊のSadaoMioのレビュー・感想・評価

戦国自衛隊(1979年製作の映画)
3.9
千葉ちゃん追悼記念、共感シアターにて同時視聴
何度見ても面白いなあ
今じゃ到底作れない、昭和テイスト満載の大作
今じゃ倫理的にもポリティカルコレクト的にも完全アウトな自衛隊員の所業。隊員が隊員を簡単に射殺、食料と女を強奪するために村を襲う、若手隊員に夜這いを勧める中隊長、などなど
これじゃ自衛隊の協力が得られるわけないよな(笑)
公開当時、劇場で観て「本物の軍用ヘリと戦車を使った迫力は、さすが角川」と思ったが、今日の町山解説によると、あの戦車は撮影用に自作したものとか。それはそれですごい
また、おびただしい数の騎馬兵と歩兵が自衛隊と繰り広げる死闘も、今じゃ作れない
アクション演出は千葉ちゃんが担当したことも町山解説で知ったが、初見時に強烈に印象に残ったいくつかのシーンは、今みても切れ味鋭い。
例えば砲弾攻撃で適地に立ち上る白煙、その適地上空に突っ込んでいくヘリ。すると一瞬、ヘリ後方にローターに巻き込まれた煙の渦が写るリアリティ。
何人もの馬上の兵士が、銃や弓の攻撃をかわすために疾走したまま馬の体に身を隠し、射程をかわして一瞬にして鞍上に戻るアクションの切れ味
そして若き真田広之のキレッキレのアクション

もちろん、ストーリー的に「どうなの」な点も多々あるが、ものすごい規模の人海戦術で戦国時代にタイムスリップした自衛隊の戦いぶりをCGではなく実写で見せてくれる興奮と、最後は戦国の世に散っていく「滅びの美学」としてまとめたドラマは、時代を超えて見ごたえがある

千葉ちゃん、いい仕事だったね
SadaoMio

SadaoMio