流行りのカメラワークやレイアウトではありませんが、1カット1カットが洗練されていて、渋くて、奥行きのある、こだわり抜かれた映像でした。
私は木村大作さん、そして黒澤明さんにも明るくありません。ですがこの作品からは、映画創りに命をかけてきた人々の、時間をかけて紡がれてきた、年輪のようなものを感じました。それは最初に書いたような映像からであり、この映画の脚本からでもあります。
測量という途方もない仕事に、時間を、誇りを、命をかける人々の姿が描かれた脚本は、映画創りに命を注いできた人々の姿と、紡がれてきた技術や作品にどこか重なるように思ったからです。
あとこのロケーションでの撮影自体、文字通りの命がけだったと思います。。。苦しくて、辛いこともたくさんある撮影だったと思います。
それでも最後に流れる『仲間たち』の言葉に皆様報われたのではないでしょうか。
どの作品もそうなのですが、とくにこういう作品を観ると、逆に観る側が問われているような、鏡を観ているような気分になります。