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劔岳 点の記のtjZeroのレビュー・感想・評価

劔岳 点の記(2008年製作の映画)
3.5
キャメラマンとして名高い、木村大作氏の初監督作。

時は明治。日本地図作成のため、立山連峰の急峻に挑む陸軍測量隊の奮闘を描く。

まじりっ気無しの画の迫力。足と汗でかせいだ、山岳地帯の雄大で険しい画面の数々に圧倒される。

もちろん、現代にあるような登山具は無く、杖とわらじ姿で登り切るすさまじさ。
こういう方々の這いつくばるような調査があればこそ、我々が現在ナビとかグーグルマップとかを気軽に利用できてるんだなあ、と感じ入る。

折角の雪崩のシーンをもっとじっくり効果的に見せてよ、とか、ライバルである欧州式の装具を備えた山岳隊との登り方の違いも見せてほしかった…とかいろいろ注文はあるけど、そんな細かい所よりもひたすら頂きをめざす主人公たちを愚直にもまっすぐ描いているのがこの映画の良さなのかも。

劇中で手旗信号が大きな役割を演じるけど、まさに言葉じゃなくシグナル=映像で伝える…という木村監督の心意気が感じられる。
重い測量具を担いで登った主人公たちのように、この映画のクルーも大きな撮影機材を抱えて奔走したんだろうなあ…などといろんな意味で感心が尽きなくてお腹いっぱいになっちゃう作品。