たけちゃん

ジュラシック・ワールド 炎の王国のたけちゃんのレビュー・感想・評価

4.1
ようこそ、ジュラシック・ワールドへ


フアン・アントニオ・バヨナ監督 2018年製作
主演クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード


今作がキリ番だとおもったでしょ?
違いました~(笑)

いきなりですが、僕は今作の監督を務めたバヨナ監督にすごく期待していたんですよね~。「怪物はささやく」で、とんでもない傑作ダーク・ファンタジーを撮りましたから。なので、今作を監督すると聞いて、新たな「ジュラシック・シリーズ」が生まれるんじゃないかと思ってました。


前作はどこまでも「ジュラシック・パーク」の続編で、映画の体裁もオマージュに溢れる作風でしたよね。
パークのゲートをくぐり、「ジュラシック・パーク」のテーマが流れる昔のファン歓喜の内容でしたから。1作目には及ばないけど、懐かしさは感じられました。そんな意味では好きでした\(^o^)/


今作はそこから先に進まなければ!
バヨナ監督なら、それが出来る(^-^)

オープニングに過去作へのオマージュは、ない。
あら、ジュラっぽくない!って観てました。
そこが素晴らしく良かった( ˘ ˘ )ウンウン
あ~、バヨナ監督は、自分の「ジュラシック・ワールド」を撮ろうと思ってるんだなぁ……と、期待が火山の噴火🌋のようになりました(´ω`╬ )ゴゴゴゴゴゴォ


そこから主演のオーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)が出てくるまでもモタモタせず、展開がスピーディでとてもいい。あっ、やっぱりそうなったの……と、前作観てれば説明はいらないのでね。


だけど、途中からどんどん既視感に溢れてくる。
やっぱり「ロスト・ワールド」かぁ……。

ここ、難しいところですよね~。
まったく違うものにすると、「これはジュラシック・パーク」じゃない!と叩かれ、似せると「焼き直し」と罵られる。「スター・ウォーズ・シリーズ」が正にそうです。でも、それはちょっと観る側が勝手すぎる!(`・д・)σ メッ

僕は前作の「ジュラシック・ワールド」も1作目は超えないけど、オリジナル愛に溢れているので、けっこう好きなんですよ。え~っ、作っちゃったの~!っていう驚きもあり。人もいっぱい食われて、野戦病院化するのも良い。彼らは恐竜なんですから。ただ、今作はバヨナ監督なので、それ以上のものを観たいと期待してたんですよね。オマージュではない作品をね。



新シリーズの1番の問題は、恐竜と人間が慣れすぎちゃったことですよね。確かに、個人的には、あのヴェロキラプトルが人を助ける!という前作のまさかの展開とラストに感動したんだけど、今回はちょっと行き過ぎたかなぁ。

バヨナ監督って、親子の情を描く作風がありますね。でも、監督の場合、それは一筋縄ではいかない。特に「怪物はささやく」なんかは、その情の描き方がダーク・ファンタジーで加工されていたので、とても複雑で、わかりずらいと思った人も多いかも。僕はそんな監督がジュラシック・ワールドの中ではどんな風に親子の情を描くのか、期待していたんです。

でも、結局は人間と恐竜を擬似親子にしただけですもんね。それでは「ジュラシック・パーク」は超えられない。今作なら、知能はあっても、どこまでもブルーは恐竜なので、圧倒的な本能に従い、人間には慣れない存在でいて欲しかった。


そして、逆にオーウェンは育ての親としての人間的な情で、どこまでもブルーを信じ、助けようとする。それこそ本当に親の愛のようにね。しかし、人間的な情なんて通じず、ブルーはどこまでも恐竜だった……という展開が良かったなぁ。だって、これじゃあ、ブルーはタロとジロだもん。

野生化したブルーは、インドラプトルともつるまず、両者が闘う中で、偶然オーウェンが生き残るならまだいい。助けられたんではなく、偶然生き残る。しかも、オーウェンは人としての無力さと限界を知り、絶望を感じながら……とね。だって、自然ってもっと残酷でしょ?



1作目に出る「ジュラシック・パーク」の恐竜は、人間なんかには飼い慣らせない存在なんです。本能のままに生きる存在で、圧倒的な自然の脅威。あの時生き残ったサトラー博士やグラント博士は、ちょっとだけ知恵はあったけど、偶然なんです。運が良かっただけなんです。だからこそ、僕らはハラハラドキドキと観ていたんですよね。予定調和ではないから。ひとつ間違えば、ラプトルにみんな食われてるんです。


それを何とか出来ると誤解した人の姿を描いたのが「ロスト・ワールド」で、それは今作「炎の王国」とも通じます。科学の暴走が描かれますよね。そして、出てくる人間は過去一ゲスい。でもなぁ、リアリティに欠けるよねぇ。マンガチック。


今作は前半、後半で評価が変わりますよね。
前半は良かった!という人は多いと思う。
なぜなら、ただ、必死になって逃げるからです。
特に、島から離れるシーンは泣けます(  ᵒ̴̶̷̥́ _ᵒ̴̶̷̣̥̀  )

でも、後半からはそこが変わって来る。
そこがバヨナ節なのかな?
彼女(ロックウッドの娘)の存在を入れることで、監督は親子の話を展開したかったんだと思う。でもなぁ、ここも唐突過ぎて。もう少し彼女に感情移入できる背景が欲しかったなぁ。遺伝子から造られた恐竜と絡めたかった意図はもちろん分かるけどね!
で、最後の恐竜バトルもちょっと物足りなかった!


なので、惜しかった……。
期待を裏切るほどの良さではなかった。
終わったあと、しゅんとしました(´._.`)シュン
それでも、バヨナ監督らしいホラーテイストは好きでしたよ。なんだかんだと好きなシーンも多いので、スコア4.0は献上します( •̀ω•́ )و✧




個人的な願望としては……

家族では観られなくなるかもしれないけど、できれば、次作は圧倒的な恐竜の力を見せつけ、主人公のオーウェンも死に、人が食われ、人類が滅んで、真の「ジュラシック・ワールド」が誕生する、そんな絶望的な映画にしたらいいのに。そうしたら、僕は劇場で、誰がしなくても、一人拍手喝采してあげます( •̀ω•́ )و✧
ソノカノウセイハ、ノコッテイル、デモ、ゴラクサクデハ、モハヤナイ


さあ、次回はキリ番、意外な作品となりますよ!



追記:2018年7月20日 4DX3D吹替版で鑑賞

あら~、面白かったなぁ。
ちょっとスコア、上げちゃった(笑)

4DXのフォーマットとジュラシック・ワールドがピッタリで、楽しかったんだもんね。


オープニングの水中のシーンもサイコー。
やっぱ、4DXは水だよね(笑)
水しぶき、サイコー\(^o^)/

そして、後半の屋敷のシーン。
2Dで観た時よりも演出効果が高く、ドキドキ倍増
隣に小学生の女の子とお父さんがいたんだけど(笑)、後半はずっとお父さんにしがみついてた!可愛いなぁ( ˘ ˘ )ウンウン

やっぱりこの手の作品は4DXだね( •̀ω•́ )و✧