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ジュラシック・ワールド 炎の王国のsatoshiのレビュー・感想・評価

4.1
 現在、世界はもちろん、日本でも大ヒット中の本作。私は、前作は劇場で観なかったのですが、本作は観ました。形態はもちろんIMAX3D字幕。このために前作をレンタルして予習までしました。

 実際に観てみて、色々と謎が解ける作品でした。3部作の2作目ということですが、「2作目」という意味において、本作は素晴らしい出来なのではないかなぁと思います。

 私が感じていた「謎」とは、タイトルです。何故、「パーク」から「ワールド」に変えたのか。本作でこれが完璧に解き明かされます。人間たちが「管理」していた恐竜たちが、人間の世界へと解き放たれる。だから、恐竜のいる世界=「ジュラシック・ワールド」なのだと。ラストが前作と対比的になっていて、前作は「ジュラシック・ワールド」でT-REXが雄叫びをあげるシーンで終わり、ジュラシック・ワールドを「自分たちの世界だ」と主張していました。しかし、本作ではそのT-REXは百獣の王、ライオンと対峙し、代わりにブルーが人間界を見下ろすシーンで終わっています。これは、これから恐竜が人間界で生息するのだという宣言でした。

 このように、恐竜たちが活躍するスケールは大きくなりましたが、肝心の恐竜との戦いの舞台は小さくなっています。前作は島全体でしたが、本作では人間の屋敷なのです。なので、本作では前作のようなショック演出よりも、ホラー演出の方が多く登場します。ただ、それが古典的なのは相変わらず。また、監督が代わったことで、人間が襲われるシーンがコメディっぽくなっておらず、単純に面白いパニックシーンになっていました。

 3部作の「2作目」というのは結構重要で、1作目で提示した要素を拡大させ、さらに3作目に繋ぐために伏線も張らなくてはいけません。しかも1作目の二番煎じに見えてはならない。本作はこれをちゃんとやれているんですよね。1作目の対比的に描いてもいるし、「恐竜との共存」の希望もブルーとオーウェンに託しています。これは凄いなぁと思いましたね。

 ただ、インドラプトルが暴走するまでの中盤が少し退屈。やはりこのシリーズは人間が恐竜に襲われてなんぼですから、人間側のドラマにはそこまでそそられないのですね。だから、暴走が始まってからは最高ですね。嫌な奴は、皆恐竜に食われるか頭突きされて退場しますから。

 このように、本作は、2作目としてやるべきことをやり、しかもちゃんと面白いという素晴らしい娯楽作でした。
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