お湯

ジュラシック・ワールド 炎の王国のお湯のレビュー・感想・評価

2.7
◇そいつ、恐竜じゃないよ!?

mx4dで一回→2d字幕で一回

パークファンです。あ、そんなにオタクな感じではないけど、結構好き。
恐竜も恐竜博とか行っちゃうくらいには好き。自由研究とかでよく図鑑を作ってた。

恐竜がいっぱいで、迫力があって面白いんだけど、期待しすぎてしまったし、根幹の哲学をひっくり返してきたので、かなりびっくりした。

恐竜という自然の前に、人間は無力……なのか?オーウェン。
火山の前では無力っすね。オーウェン。


パークシリーズの恐竜がいいのは、無秩序なところなんですっ!!!!!
いい人も食べられちゃうんですっ!!(だいたいやっぱり生きてるけど!!)
そんでもって悪い人は生き残ったりするんですっ!!!!(やっぱり食べられるけど!)
まあ誰が食べられるかはだいたい予測つくんですけど!!!
でも、大前提として、恐竜は恐竜の秩序の中で生きてるように見えるんです!

今回多くのオマージュが登場した、ロスト・ワールド ジュラシックパークですが、冒頭に女の子が恐竜によって殺されたかもしれない、という表現(セリフで安全だというのはあるが、事実は分からず)があり、フィクションが持つ秩序、ルールをぶち破ったことで有名。

まあその理不尽な死は、今作では登場した恐竜たちに任せられたのかも知れません。


でもワールドの恐竜は、鑑賞者の欲望のままに動いてくれるので、本当に小道具でしかないわ!!!
悪いやつはみんな、恐竜の餌食!
そんでもって俺らの邪魔する恐竜は、死ね!!!
あ、Tレックスは神と化したので、危機を回避させてくれたら、吠えるだけっす!!!みたいな感じをうけとってしまった初回。

因果応報ではなく、人間(オーウェンなど)がそうやって仕向けたことにより、人間(悪者)が死んでいくのが、すごく怖かった。
なにオーウェンそんな顔してんねん。
俺らの仲間感が寒気。

二回目鑑賞で、この人間中心的(オーウェン側)なストーリーの感じが、まさに人間が支配する地球を表し、これから恐竜が支配する無秩序な地球になっていくことを予測できるので、怒りが収まった。これも、都合いいかな?難しいわ!

パークはフィクションを打ち破ったので、恐竜側、
ワールドは完全フィクション、ご都合良い!なので人間側。
人間の傲慢さを周りに回って表現しているのかも。

恐竜売買する人間は完全悪なんだけど、オーウェン、クレアにも非があることにはあるし完全な善ではないし、完全な悪でもない、というのが、人間たちのキャラ構図。
だからこそ助ける恐竜と助けない恐竜がいることを無視してしまうというストーリに、納得行くようにもなった。

不条理に殺される人間は、人間が殺していたりするのとなかなか、面白い逆転の発想。


しかし、正直、このエンターテインメント映画にそこまで深読みをしなければ納得できないようにすること自体に、私は疑問を抱いてしまう。白目むきました。

Tレックスは守り神、
ラプトルは人間の仲間、
モサは裏ボス
ブラキオは安泰の象徴
キャラ付けしないでくれー!!!
やっぱりそれに限ってしまう。
大事な哲学だと思う。
これさえも人間のエゴなのか

そしてインドラプトルとブルーが共鳴しないのは、なぜ?


スティギーを利用するオーウェンが、ワールド1でブルーたちを軍事利用しようするやつと同じように見えた。しかもオーウェンはラプトルだけでなく恐竜の使い手になったようです。完全な。


〇ロスト・ワールドも、環境頼りなところがあって、特徴的印象的シーンが少ないので仕方ないけど、「こんなシチュエーションで恐竜に出会ったら……?」とワクワク、ゾワゾワする場面があまりなかった。比較的、な話だけど。

コンピーの人間捕食は見たかったな~
すごくチョイ役。


〇少女の演技はすごあ!登場シーンから、この世のものではないかのようなオーラがあって、映し方もすごくうまい。
この少女の存在と、インドラプトルという完全従順をさせられる、もはや怪物の恐竜の存在によって、恐竜と人間の境い目というのがあやふやになる、見た目や言葉を持つということ以外に、何をもって恐竜か人間かを区別すればいいのか。
これが続編に繋がっていくことを期待してます。

結局は人間(オーウェン)vs人間(が作り出したもの)の構図なのかも。
人間が作り上げたパンドラの箱の中身がさらに、パンドラの箱を開けてしまった状態。おもしろい


あと前回撮影は、フィルムのように見えたけど、今回は完全デジタル?
ウー博士は、回を増す事にマッドサイエンティストになっていく……また生きてそうだけど、あの状況でどこに行ったんや……


つぎは、3のオマージュが、はいるんかな。
はじめっからあの、男の子視点ということですかな。恐竜の世界に、知恵を絞りながら隠れて生きている。その舞台が、人間たちが暮らしていた世界に、次作はなるのか?



秩序秩序の世界から、いっきに無秩序になる?

でも今作は恐竜をあやつる糸が、心の目で見えてしまった時点で、
私は好きではない。
それは恐竜ではない。
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