こたつむり

ジュラシック・ワールド 炎の王国のこたつむりのレビュー・感想・評価

2.4
♪ ある人は言う 君は滅びたのだと
  ある人は言う 根拠もなく生きてると

前作が偉大なる初代の魂を引継いだのならば。
今回は二作目『ロストワールド』と同じ轍を踏んだ…と感じた作品でした。

単刀直入に言うと面白くなかったです。
前作で頼りになった主人公は無色透明の液体のようでしたし、ヒロイン役の「コレジャナイ」感は増していました(露出度は減ったのに!)。

また、恐竜の扱いにしても。
兵器として売りさばいたり、主人公と《ブルー》の絆を描いたりする流れに肩が下がる始末。容易に心を通わせることが出来ないから、一定の緊張感が保たれるんですけどね。

それに、物語の舞台にしても。
前半の派手さに比べて、中盤以降は地味になりますし、恐竜たちの出番もそれに比例して“おとなしい”ものになってしまいます。確かに派手にすれば良いわけじゃないんですけど…。

何よりも違和感満載なのが終盤の展開。
世界を変える決断に“信念”が無いのです。感情的になって選択した…だけなのです。正直なところ、そこまでは擁護する気持ちで鑑賞していましたが、あの瞬間に瓦解しました。

まあ、そんなわけで。
次回作へと繋げようとする製作会社の“商売っ気”が前面に出た作品。本作を仕上げたのは『永遠のこどもたち』や『怪物はささやく』のフアン・アントニオ・バヨナ監督ですが、ただ「仕事をこなしただけ」なのでしょうね。

ただ、それでも。
どんな映画にだって良い部分はあります。
それを探してみると…うーん。子役の女の子が可愛いこと…くらい…かな。

しかし、そんな彼女に対しても。
ひたすらに金切り声を上げる姿にはイライラしますし、恐竜から身を隠す場所の選定には首を傾げたくなります。また、怖がっていた後にテキパキと動く流れは矛盾に満ちて…ってダメだ。どうしても批判めいた文章になるから止めよう。

うん。ここは口を噤むのが正解なのでしょう(ってここまでで約800文字。十分に書いています)。
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