tanako

ミュージアムのtanakoのネタバレレビュー・内容・結末

ミュージアム(2016年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

なんでかなー。
ホント、なんでかなー。

なんで、原作そのまま、映像化しなかったのかなーーーーーー。

キホンの展開は同じですが、
映画では、映像として派手に見せるための演出をいくつか加えており、
それが、悉く失敗しています。

原作もツッコミどころはあるんですが、
映画のツッコミどころは、それを補修するどころか上乗せしておかしなことになっている印象。

私の中での、ツッコミポイントは、大きく3つです。

1.過剰演技。

これは俳優陣のせいではないと思います。

ただ、置かれた状況から、込み上げる怒りを表現するにしてもあのヒステリックさは、無い。
演出が酷い。

緩急、て知ってる???
終始あの調子でやられたら、観客は萎えます。

特に最後の対決シーン。クライマックス。

ただでさえ、犯人がイカレてて、テンション高めなのに、
主人公・犯人・奥さん・子供、全員の息の荒さが、もう合唱コンクールかよ、て。


2.完全不要なオリジナル要素。

映像化に当たり、オリジナル展開とか、結末を変えるのは、個人的にはありだと思います。

ただ、どんな展開においても、ちゃんと理由は必要で、必然性を伴わない改変というのは、ただの思い付きでしかなく、物語の中に違和感しか残さない。

本作には、映画オリジナル要素がいくつかありますが、
思いついた要素をとりあえず入れてみた、という印象で、
結果的に、アレ必要だったかな?という感じに終わっています。
更に言うと、物語展開上のツッコミどころも増やしています。

個人的には、光線過敏症を心因性、と改変したのが必要だったかどうか、非常に、謎。
先天性だからこそ、抱えていた闇だったのでは?と思ったし、謎の兄妹設定も相まって、ただでさえ、描かれていない(これも問題)カエル男の過去が見えない分も含めて、一気に軽く、薄くなっている。

出来が良い原作があるのに、どうして不要なオリジナル要素を入れたがるかなあ。

3.カエル男の正体

原作でも、同じようなタイミングで明かされる犯人の正体ですが、最初から、妻夫木が演じるという触れこみは、
はっきり言って最悪。


せっかくマスクで顔を隠して、ボイスチェンジャーまで使って、得体の知れない不気味さが、観客の恐怖を煽り、物語の展開上、これが誰だか分からないからこそ、目が離せなくなる。

はず、なのに。

しかも、映像でも、ずっと顔を隠しているにも関わらず。

最初からカエル男=妻夫木、だと分かってしまってることで、
観客が得られるはずの上記要素が一切得られず、ミステリーとしての面白みが損なわれている。
せめて公開初日まで、情報は隠すべきだったのでは。

妻夫木は、この役をすごく頑張っていたし、例え、公開後に正体を明かしたとしても、彼の評価は、絶対に変わらない。
それどころか、評価が後追いとなって、興行が伸びる要因にもなり得たはず。

・・・初動の数字がそんなに大事ですかね。

言葉が乱暴ですが、完全に宣伝担当がアホです。


とまあ、正直あまり良い点が思い当たらない作品。
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