Daisuke

ミュージアムのDaisukeのレビュー・感想・評価

ミュージアム(2016年製作の映画)
3.7
[終わらない]

カエルの格好をした犯人らしき人物が銃を向けてるヴィジュアルから、もう少しフィクション性が高いものだと軽く見ていた。
ところがとても丁寧な作品で、最後まで引きが強くて楽しめた。

雨の日だけに発生する猟奇殺人。
その殺され方が異常であり謎のメモが残されていて、、、それを刑事である沢村と部下の西野が追う。

様々なところで「セブンに似てる」という感想が多いようだったけれど、それはあくまで雨のシーンの多さや猟奇殺人が重なっていく場面、もう少し言えば雨合羽のヴィジュアルイメージやラストのとある下りなどを指してるのだと推測するが、
個人的にはテーマがそもそも違っているので、全くの別物だと思っている。

少しだけ大好きなセブンの事を書きますが、あの物語はブラット・ピット演じるミルズの物語のようで実はモーガンフリーマン演じるサマセットの物語だと思っています(いずれセブンについて書きたいですが)
今作ではあくまで小栗旬演じる沢村と、その家族の物語でした。

特に犯人の動機に直結する部分に関して、◯◯◯制度の弊害とも言えるとても繊細な心情を伝える場面があり、ラストでもそれがまだ終わらないとわかる場面がありました。
個人的にはそこが重要な作品だと感じ、猟奇殺人や犯人との衝突よりも、そこが現実的でとても重く、苦しいものを感じました。

そしてそれは日常のどんな時でも現れる。

その終わらぬ苦しみを抱えて、前へ。
Daisuke

Daisuke