なかなか邦画を観ないタチなので
公開からずいぶん経っての観賞。
大友啓史作品の中では良かった方だと思う。
多少の中弛みやテンポの悪いカーアクションやカメラワークを除いては、エンタメスリラーサスペンスとして成立していたとは思う。
淀んだ映像で雨の日を演出し、密室のシーンではそれにダーク感、鬱々しさを強調すべく明るさを消し黒を主張した映像は、【秘密】の時と同様 程よい緊迫感とシリアスさを生んでいた。
原作に対して忠実に描いてくれていたことも個人的には良かった。が、忠実にやったら2時間以上も必要なのだろうか…?
それが本作の中弛みを生んでいたのは確か。
がしかし、本作の醍醐味はR指定というレーティングに引っかからないのが不思議と思えるほどの残虐な死体を描けたことだと思う。
本作を観ると【セブン】の影がチラつくかと思われる。
確かに監督の頭には【セブン】があったのかもしれないが、原作に敬意を評して忠実に具現化しながら、模倣にならないよう心掛けたのではないかと感じた。
とまぁ とやかく言ってはいるが、面白かったと思ったので まだの方はご覧あれ。