フローレンス・ジェンキンスという実在の人物をヒントにしていますが、本映画のストーリーは実在の人物とは関係ありません。メリル・ストリープが主演した『マダム・フローレンス！夢見るふたり』のほうは、史実にかなり忠実に作られていますので、本作に興味を持った人はぜひマダム・フローレンスのほうも見るのをオススメします。
本作では、マルグリットが音痴なのに歌い続ける理由として、精神的な面が強調されていて、妄想を抱いたり、自分の歌を絶対に聞かないというエピソードが出てきます。残念ながら、こういう解釈（というかストーリー）はあまり好きになれませんでした。それよりも、単純に歌が好きなので歌い続けるというほうが訴えるものがあるし、『マダム・フローレンス』ではその感じが全面に出ています。実在のフローレンス夫人もそうなのではなかったのかな。そうでもないと、カーネギー・ホールで歌いたいとは思わないですよ。そこら辺のストーリーが本作はいまいちで、カトリーヌ・フロの演技はすごく良かっただけに、ちょっと残念でした。
