このレビューはネタバレを含みます
小沼監督の笛からはじまる縛り愛の田舎
1977年作品。
原作団鬼六。
脚本いどあきお。
監督小沼勝
久々のジャケットでレンタルシリーズ。
今回は、ピンクコーナーで見つけた団鬼シリーズ。
うちのレンタル屋は、一般コーナーにあるがいちお成人指定だが、。高いところにあり。お子さま手の届かないところ。
乱れ壺、谷ナオミ出演、なんか谷ナオミ、団鬼六はセットになってる。きっとヒットしたんでしょう。
あと「壺」押し。この壺ってきくと、でっかい壺に裸体の女性が入って、ダコのようにダラダラした感じのイメージが勝手に浮かんだ(個人的妄想性)
日活DVD鑑賞した。ジュネオンDVD。
冒頭尺八の音、自然風景、祭ばやしの音、尺八の音、とある屋根、格子状の窓めいたもの、なぜかそこに猿がうごめく屋根周辺。
素晴らしく計算された冒頭の撮影、セット。
猿の下には、団鬼世界ひろがる訳あり貴婦人、谷ナオミ。強欲たる地域の権力者の親父。彼が笛吹くとき、貴婦人は縛り壺の愛はじまる。みたいな導入。
団鬼世界の狭く閉鎖的な村社会を挟みながら、訳あり親父の派手不思議さん妹も加入。
そこに丁稚奉公イケメン下っ端(夜泣き有り)が絡み、いつの間にかの多角関係。谷ナオミの貴婦人縛り壺祭のはじまりはじまり。
シナリオの素晴らしい谷ナオミ貴婦人の言うなればマゾヒスティックに溺れる谷ナオミの隷属愛の逆転現象の落ち。
ラストの縛り上げ壺祭のカーニバル感。盛り上がる群衆、盛り上がるサド・マゾラブ行為。まるで雨の全裸運動会。
猿のさりげない演出による小沼監督のこだわり。
いやあなかなか良かったです。団鬼六の原作にきっと忠実なんやろなあと。
こんな田舎の太い野郎いそうだもんなあ。今もいるっしょきっと。
どこぞの不倫
どこぞの一方的痛めつけのような愛
どこぞの部屋のサドとマゾヒスティック
どこぞの甘い飴と猛烈な冷たい罵詈雑言
訳あり男と訳あり女の縛り愛しばき愛
さりげなくレンタルしましたが、。
縛り壺プレイも谷ナオミ熱演の酷い仕打ち、必見。
パゾリーニ映画(「カンタベリー物語」)か、石井輝男(「徳川」異常性愛シリーズ)かのごとくの野外貼り付けプレイといいどんどんSM尺八調べはエスカレート。
裸の馬乗りとか。これ貼り付け前にさらし者にされて公衆面前でぶっ殺される。あー人間残酷だなあ。溝口の「近松物語」を想起した。
谷ナオミのこの好演は、やはり当時人気だったんでしょうね。
谷ナオミ!!!
ってだけできっと映画館にお客様が列を成した気がする。
だから名前が残る。
白い肌、絡みの風情、蜂のようなあの目。人気の意味が見てくるとわかる。谷ナオミ作品見るの5、6本めかな?。
ラストの収まりが素晴らしく脚本いどあきおの秀抜な谷ナオミの円環帰宅になんかジーンと嫉妬した。ゆがんだラブ、ぶちのめされても壺のたこのようにぬめりと湿り気と張り付く痛みに逃れられない。そんなラブ。
なかなかパッとかりたジャケットレンタルだが、素晴らしい作品に出会えた。
だからたまに見るならロマンポルノは、やめられない何かが宿ってますねえ。素晴らしいフィルム感性ですねえ。それでは次回お会い致しましょう(ノスタルジー映画番組風)
さて
小沼監督の笛からはじまる縛り愛の田舎
ぜひ!
追伸
ジュネオンの日活DVDのこの谷ナオミの少しイラストめいたジャケの表情が何気に格好いい。
将来クライテリオンから発売されそうだもんなあ。
クオリティは素晴らしいっす。だから小沼監督も素晴らしいんすね。
時々こういう風に
見知らねジャケット借り、ダーティムービーレビュー、レンタルしていきま~す(不定期レビュー)