成川ジロー

イップ・マン 継承の成川ジローのレビュー・感想・評価

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)
4.8
今年ナンバーワン映画候補。本当に素晴らしい。
ドニー・イェンと言う強烈な個性を比較的良い感じに一般層向けに見やすくできていてあまりとがってないのがイップ・マンシリーズだと思っているのだけど、この映画は3作目にしてシリーズ最高傑作だし、ドニーの最高傑作でもあると思う。
一般層にも見やすく、シリーズの1と2を見ていなくても問題なく楽しめる上に(より楽しむなら1,2必須だが、3→1→2→3と言う見方も全然有りだと思う)、アクションとしてはヤバイレベルにとがっていて最高級で、ドラマ部もしっかりしていてアクションでも感動するしドラマ部でも感動する、そして絵も美しいし、音楽も素晴らしい。こんなにアクションとドラマが上手く融合してなおかつレベルの高い大傑作のカンフー映画は今まで無かったかも。本当に何から何まで最高。

自分は序盤のイップ・マンとチョン・ティンチがお互いの腕前を知る場面でニヤニヤし、イップ・マンが長い竹棒を持ってカチコミに行く場面で「勝てる気がしねえww」と笑い、息子を守る勇姿に燃え、その後の妻のシーンで泣きそうになり、エレベータームエタイバトルが凄過ぎて格好良すぎて幸せすぎて感極まって泣いて、タイソンが構えて向かってくるシーンで「勝てる気がしねえww」と笑い、そのボディの迫力に自分が打たれたかのような錯覚を覚え「イップ・マン医者行った方が良いぞ」と心配し、神がかった格好良さの下段の構えに全身が痺れ、妻との美しく切ないダンスシーンで泣きそうになり、イップ・マンが木人椿を打つ背中と妻の思いで号泣し、ラストバトルのあまりの凄まじさに泣きながら笑みを浮かべ恍惚となりこの映画を映画館で見ることができたことを心から感謝し最後に格好良い格言を残すイップ・マンに全てを持っていかれました。大好きな香港映画の上映をしてくれる映画館が少なくなってきてる中、映画館で見れたのは幸せです。

ありがとうドニー・イェン。ありがとうマックス・チャン。ありがとうリン・ホン。ありがとうウィルソン・イップ。ありがとう立川シネマシティ。ありがとう新宿武蔵野館。
立川極爆イップ・マンは、カンフー映画で極爆っていう最高の映画体験でした。

見れるなら絶対に劇場に見に行ってください。超おススメです。


P.S.
イップ・マンは別に英雄にはなりたくなくて家族との幸せを求めてるんだけど、周囲が英雄を必要としてイップ・マンを必要とすればするほどイップ・マンの望みからは離れていって妻が悲しみ子が危険な目にあう。このジレンマが本当に可哀想で、「私の心残りは君への配慮不足だ」と言うシーンは心を打たれました。
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