えびしお

イップ・マン 継承のえびしおのネタバレレビュー・内容・結末

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ドニー・イェンみたいな細身塩顔の男がガンガン闘う&アクションがかなり好みなので4点。完全に私の好みからの採点でしかない笑

ストーリーは今ひとつ。
この映画の中で一番言いたかったのはなんなの?話がいくつも進行していて、まとまりがなかった。
マイク・タイソンあっさりしすぎでびっくりした。いったい前半の大騒ぎはなんだったのか?たしかにボクシングの王者を倒すのは、いくら映画とはいえNGかもしれない。扱いづらいなら最初から出さなきゃいいのに。話題性はあるんだろうけど。

チョン・ティンチがイップ・マンにライバル心を燃やしていく描写もちょっと弱い。決定的だったのは造船所でのこと(自分は逮捕されたのに、イップ・マンは英雄扱いだった)なんだろうけど、それ以前からライバル視してたよね。そのあたりのバックグラウンドをもっと知りたかった。自分はカンフー強いのにただの貧しい車夫で、一方、同門のイップマンは武館を持ってるし皆んなから頼りにされてる…とかそんな感じなんだろうけども。
でも彼らのラストファイトは素晴らしかった。とにかくかっこいい。刀のシーンでドニー・イェンは鼻を切ったとかで、本物の刀を使ってたのか、と驚いた。そりゃ迫力あるわ。
負けたことでチョン・ティンチが何を掴んだのか、どう変わったのかは描いてほしかったな。

奥さんとイップ・マンのお互いを慈しむ気持ちはとても美しい。奥さんは夫が武術の達人であることによって、いろいろと辛い思いもしただろう。でも、そんな彼のことをとてもよく理解していて誇りに思っていたことがよくわかった。
イップ・マンの方も武闘家としての自分より、彼女を愛する者としての自分を優先した。死にゆく妻のそばにいる気持ちを考えるととても苦しい。
奥さんはイップマンが武道家であることも愛していたので、妻や家族を愛する男であることも武闘家であることも含めてイップマンという一個人なのだと感じられた。