たけちゃん

イップ・マン 継承のたけちゃんのレビュー・感想・評価

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)
5.0
何よりも大切なのは、いつも傍にいてくれる人だ!


ウィルソン・イップ監督 2015年製作
主演ドニー・イェン


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
本日、12月2日はイップ・マン師父の命日です!
なので、今日はこちらをレビューしましょう。
「イップ・マン3 継承」( •̀ω•́ )و✧


わぁ~、もうエモい!エモ過ぎます!
最初から最後まで見所ばかり、アクションばかり。サイコーのカンフー映画であり、素晴らしき家族賛歌、人間賛歌の作品。ドニー・イェンの人間観が反映されたという役作りが本当に素晴らしいのです。
もちろんシリーズ最高傑作ですが、カンフー映画の最高峰でもありますね( ˘ ˘ )ウンウン


【イップ・マン師父とは】

葉問(イップ・マン)こと本名、葉継問は1893年10月1日、広東省で生まれました。比較的裕福な家庭の次男として生まれました。
詠春拳の伝承者、陳華順の最後の弟子と言われ、後に葉派詠春拳を広めます。
1937年に日中戦争が始まり、財産を没収されたため仏山を離れます(このあたりが第1作の話)。
戦後、国民党員であった葉問は中国共産党の政権移行に伴い身の危険から妻子を残して香港へ逃亡(この辺が第2作の話)。妻子を残すところが実話と違うのね。
香港では詠春拳を広めるため武館を開くが生活は困窮を極める。この頃の弟子にブルース・リーもいた。
1960年に仏山に残してきた妻が死去。息子たちは香港へと亡命してくる。これも映画とは違うところね。
そして、1972年12月2日に亡くなりました。



【イップ・マンシリーズ】

「イップ・マン」の名を持つ作品は他にもありますが、監督がウィルソン・イップでドニー・イェン主演となるのは3作品。
「イップ・マン1 序章」「イップ・マン2 葉問」そして、今作「イップ・マン3 継承」です。
他に「イップ・マン 誕生」という作品と「イップ・マン 最終章」もありますが、別スタッフ、別キャストのものです。
あとウォン・カーウァイ監督の「グランドマスター」もイップ・マンを主人公に据えた映画です。この作品には、今作でイップ・マンのライバル、チョウ・ティンチを演じたマックス・チャンが出ますので、こちらもチェックですね( ˘ ˘ )ウンウン




映画はドニー・イェン主演の第3作です。過去2作品はレビュー済ですので、よろしければそちらも見てくださいませ(^-^)

1作目「序章」は日中戦争当時のイップ・マン。抗日運動に巻き込まれ、正義のため、民衆のために拳を振るいます!

2作目「葉問」はイギリス占領下の香港が舞台。占領下の圧政と不正から民衆を守るために立ち上がります!

そして、この第3作「継承」は、その香港での暮らしが落ち着き、武門の雄として尊敬を勝ち得ていたイップ・マンのその後が描かれます。戦う意味が前二作とは完全に違うんです。敵が小さい?それを過小評価すると、大事なものが見えてこないと思います。1作目、2作目共に他人のため、国のため、民衆のために拳を上げましたが、3作目は家族のため、妻のために拳を振るうんです。そこに敵の大小はない。守るべきも者と守るべき理由があるから戦うというイップ・マンの理念が見事に描かれていました。

このドニー・イェンのシリーズは、イップ・マンは実在の人物なのですが、エピソードはフィクションがほとんどなので、伝記ではないんですよ。その分、ストーリーはめっちゃエモいです( ˘ ˘ )ウンウン

あと、アクション指導が前作までのサモ・ハン・キンポー師匠からユエン・ウーピンに変わりましたね。前作までも良かったのですが、今作は魅せ方が上手い!ユエン・ウーピン門下のマックス・チャンを連れてきたこともそうですが、大成功なんではないかな( ˘ ˘ )ウンウン



オープニング
木人で黙々と鍛錬するイップ師匠。
もう、ここからこの映画は信用出来る!

そして、登場する彼
後ろ姿、髪型で彼って分かるのが凄い( ˘ ˘ )ウンウン
実はブルース・リーって、趣味で社交ダンスを習っていて(モテたかったかららしいwww)、そのつながりで、イップ・マンに社交ダンスを教えるエピソードもあるのは、笑う😄←ジツワジャナイヨ


イップ・マンの妻ウィンシン
2作目までで本当に貧しい時を共に越えてきたのを知っているからこそ、今作の姿が切ない。あのダンスを共に踊るシーンは泣けるなぁ。

今作でイップ・マンと拳を交える同じ詠春拳の使い手チョン、演じるのはマックス・チャン。この人、ユエン・ウーピン一門で、実はチョウ・ユンファやドニー・イェンのスタントダブルなどの裏方を行っていた苦労人なので、この映画でドニー・イェンと組むのは胸熱でしたね!
映画でもライバルで友人の設定ですが、実際も!といったところでしょうか。
役どころとしては、なんとな~く、「ワンチャイシリーズ」の1作目「天地大乱」で出てきたホン師匠に似てるのかも。貧しくて武館を立てて成功したいところとか、ちょっと悪に加担してしまうところとかね。でも、今作のチョンの方が好漢でした( •̀ω•́ )و✧

ラストバトルではないですが、大ボスとして登場するのがマイク・タイソンです。えっ、タイソン演技出来るの?って思いましたが、演技力は不要でした(笑)
あんなパンチ、1発でももらったら、イップ師匠でも立っていられないでしょう……。


はぁ、最高ですね。
カンフーは強さをひけらかし、戦うための道具ではない。それをイップ・マンから学んだなぁ。
「継承」において何を継承したのかは、映画を観たみなさん自身が考えてくださいませ(^-^)
今日はイップ師父を偲びながら、イップ・マン鑑賞はいかがですか?