Noriko

ダンガル きっと、つよくなるのNorikoのレビュー・感想・評価

3.9
「きっと、うまくいく」「PK」はそれぞれ職業差別、宗教問題にクローズアップしたので、この作品は男尊女卑への問題提起か…と思いながら劇場に向かった結果、予想を裏切られた。
もちろん、男尊女卑への問題提起は「人々の心に残る試合をしろ」という終盤のシーンで成されているのだが、もっと親子という小さなコミュニティの中での問題だった気がする。いや、それとも父がちゃんと娘達を「娘」として大切にしているからこそそう感じなかっただけであろうか。

どれだけの人を入れてどれだけの期間をかけて撮影しているんだというカットの数々、次々に切り替わる素早いカメラワークに息を飲みました。
私は女なので、この作品はきっと母親に感情移入して見る作品なのだろうと勝手に思っていましたが、完全に父親に引っ張られたみたいです。

作品のストーリー展開としては、何度か変わる姉妹役に違和感がない。関係性がしっかりと変わらず描かれているのが素晴らしいです。
あとは何度か出てくる試合風景が適度に伸ばされていること。最後は少しそれを感じたけど、体感時間に近いのが印象的でした。
最後にコーチをしっかりと成敗するのかなぁと思っていたけれど、あんな親子愛を見せられたらコーチも何も言えませんね。
Noriko

Noriko