もくもく

ダンガル きっと、つよくなるのもくもくのレビュー・感想・評価

3.8
よくあるスポ根もの、と思いきや。

はじめのうちは、嫌がる娘二人に無理矢理レスリングを教える父親、というのはどうなんだろうか…と思いながら観ていた。映画内で描かれるように、インドの女性には家事育児の選択肢しかない人々がいるのも現実で、レスリングによって姉妹2人は違う世界を生きることが出来た。この辺のバランスはすごく難しくて、結果オーライだったけど、全てが善だったかと言われるともちろんそこは悩ましい。
スタートはともかくとして、姉妹はレスリングの道を選ぶ。強くなり、悩み、つまづき、壁の外から父親は丹下段平のごとくトレーニングの指示をする。

個人的に最後の試合の描き方がぐっときた。単に家族の絆っていいよね!という流れにせず、1人の女性の自立をきちんと描いていて本当に素晴らしいと思った。
まだまだ男尊女卑の強いインドだけど、こういう社会批判的映画が作られ、きちんとヒットしているのはとても羨ましい。

どの試合描写も圧巻で、本当の試合にしか見えなかった。派手なアクションや歌ったり踊ったりのイメージが強いインド映画だけど、こんなにストイックな作品もあるなんて幅が広いんだなあ。
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