LalaーMukuーMerry

ダンガル きっと、つよくなるのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

4.8
「きっと、うまくいく」「PK」「マダム・イン・ニューヨーク」「バルフィ!人生に唄えば」「女神は二度微笑む」・・・私の中のインド映画に凄くいいのがもう一つ。今度のジャンルはスポーツ(根性)もの。それも女子レスリング。ボクシングの映画はたくさんあるけれど、レスリング映画自体が私にはたぶん初めて。しかも実話に基づくお話というのも良い。
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格闘技の迫力ある撮り方がみごと。わかりにくいレスリングルール(ポイントのつけ方)をさりげなく教えてくれて、これが見事にクライマックスで回収される演出もうまい。
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彼女たちがなぜローティーンの少女時代にレスリングをすることになったのか? 導入の部分が笑えて面白い。
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もともとレスリングはどこの国でも力の強い男のスポーツ。そういう思い込みが世間にある中で女子がレスリングを始めることの難しさ。パイオニア達が経験する大きな壁。それを打ち破っていくことが、インド女性の地位の低さ(男尊女卑の因習)を打ち破ることにつながるというメッセージ性もあってそこが良いという人も多いでしょう。モチベーションを得て、父親の課す厳しい練習に耐え、どんどん強くなっていくところがユーモアを交えて描かれ、感情移入していきます。
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そして、心を打つのはやはり父と娘たちの絆の強さ。親子(父娘)で目指す金メダル! ローティーン時代から年月が流れ、大人になった二人がナショナル・トレーニング・センターでインド代表として練習し、国際舞台で戦う後半も胸が熱くなります。
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もう一つ凄いのは、父親役アーミル・カーンの肉体の変化でしょう。体脂肪率38%から10%切るまで! 凄まじき役者魂。 ホームページに行くと霊長類最強の女・吉田沙保里や、どこにでも出て来る?松岡修三の熱いメッセージもあります。北島康介の実家のお肉屋さん的エピソードもあり、やっぱりスポーツっていいねと思わせてくれる作品でした。