“継承”
Bravo！この手の気持ちのいいスポーツ映画は大好物。
老いてゆく父親、めきめきと強くなっていく娘。“追い越していく瞬間”はやはり切なく胸をしめつけられた。
「遅れてきた」世代が背負わなければならないもの、「終わった」世代すなわち老いて去りゆくものの諦観を踏まえつつそれでも前へ進むのだ！というエールに満ちた傑作。これは「クリード チャンプを継ぐ男」にも通ずる。
試合の臨場感も凄まじく、グイグイ引き込まれるが、それはそれ以外の部分が何より丁寧に描かれているからこそ。勝利のロジックがしっかりとしてる。
父親の“女を下に見てる全ての男を見返すために戦うんだ”“お前が勝つことは抑圧されている少女たちの勝利でもある”みたいなセリフもやはりグッときました。女性の社会的地位向上がテーマの作品ですね。
ストーリー展開は極めてベタといっていいほど正攻法で目新しさはないしご都合な展開もあるが、それが逆に心地よいというかむしろこれを待ってましたとばかりに。
あえてを言うとラスト、あのコーチがしっかり成敗されるところを描いて欲しかったな。
ただとにかく今年一番万人に自信を持って勧められる映画です。今年のうちに観れて良かったです。
