ナツミオ

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出のナツミオのレビュー・感想・評価

3.6
WOWOW録画鑑賞
【特集・英国王室を生きた女性たち】
過去映画館にて、今回2回目の鑑賞。

「お願い、今夜一晩だけ、私を自由にさせて。」
後の英国女王エリザベス二世が19才のときにお忍びで外出したという史実をもとにしたフィクション。現代版『ローマの休日』オマージュ。一応ロマンティック・コメディ。

原題 『A Royal Night Out』
2015年英作品
監督 ジュリアン・ジャロルド
脚本 トレヴァー・デ・シルヴァ ケヴィン・フッド
出演 サラ・ガドン ベル・パウリー ジャック・レイナー ルパート・エヴェレット エミリー・ワトソン ロジャー・アラム

(WOWOW番組内容より)
1945年5月8日、戦勝記念日の夜。イギリスの国中がお祝いムードに包まれる中、エリザベス王女(ガドン)と妹のマーガレット(パウリー)は、父国王ジョージ6世(エヴェレット)の粋な計らいで外出を特別に許可され、生まれて初めてお忍びでバッキンガム宮殿を抜け出て、ロンドン市中へと繰り出す。
けれども、お転婆なマーガレットは、お付きの護衛たちが目を離す間に1人バスに飛び乗ってどこかへ雲隠れしてしまい、エリザベスも必死でその後を追うのだが・・・

冒頭、戦勝記念日に湧く英国民の実写フィルムの後、軍服に身を包んだエリザベス王女が登場。大戦末期、英国女子国防軍に入隊し、「エリザベス・ウィンザー準大尉」となった。
演じるサラ・ガドンの上品かつ清楚な魅力は凄い‼️

妹マーガレットの花柄のワンピースとは対照的。自由奔放な妹役はパウリーが似合っている。

確かに現代版『ローマの休日』ともいえる作品。
市中の情報(雑誌Times?)を手に入れる姉妹。
「(クラブ)カーゾンは知る人ぞ知るメイフェア最高のクラブ・・・ アメリカ人に人気。先週グレゴリー・ペックもお酒とダンスを楽しんだ」
って、『ローマの休日』のオマージュ‼️

何とか父、ジョージ国王の許可を取り付け外出した2人だが、しっかり護衛の2人の大尉、中尉が付くが、この凸凹コンビの間抜けさに笑う。
リッツホテルから抜け出した妹を追ってバスに乗り込んでからの冒険開始。

その頃、バッキンガム宮殿で戦勝を祝う国民たちを眺めながらの国王と王妃の会話。
「戦後という厳しい現実に彼らは目覚めるだろう・・・リリベット(エリザベスの愛称)の時代に」

好きなシーン
マーガレットが、出会った海軍士官に連れていかれたのは、下町ソーホー地区の娼館!
酒に薬を盛られ悪酔いするマーガレットが外の空気を吸おうと迷い込んだのは、娼館のボス・スタン(アラム)の部屋。
酔った娼婦がソファに寝そべり、丸坊主の用心棒の目が光るヤバイシーン。
マーガレットが話す「P2」(第2王女の意)の単語に、すかさず本物の王女と見破ったスタンは流石‼️
棚にはロイヤル・ファミリーや前国王の写真が飾られ敬愛していることが伺える。
チェルシー兵舎を通る合言葉を知っているという王女の言葉に、すかさず商売の臭いを感じるスタンはある計画を立てる・・・

スタンを演じたロジャー・アラムは、好きなTVシリーズ『刑事モース』の上司サーズディ警部補。
好きな俳優さん。今回もいい役柄。
しかしバナナでは憲兵は買収出来なくて残念⁈

チェルシー兵舎へ向かう娼婦たちとマーガレットの会話が、新米娼婦と勘違いされ何故か噛み合っているのは笑う。

一方のリリベットは、バスで出会った空軍兵ジャック(レイナー)と妹を探す中、賑わうパブに入った2人が、ラジオの国王演説が始まる途端に、静まり返り、全員が耳を傾ける所も愛されたジョージ国王を感じた。
戦争や家族の話で煙たがっていたジャックとの仲が近づいて行く。
しかし、ジャックにもある秘密があった。
終盤、リリベットとジャックが車内の会話
「人生で一番ステキな夜だった!」
王女が次期女王の自覚が芽生えた瞬間。
『ローマの休日』とも被るシーン。

国王夫妻と2人の朝食や、スポーツカーをぶっ飛ばすリリベットも良かった良作‼️

『英国王のスピーチ』の後に観ると良く繋がります。
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