この映画は英国王室版「ローマの休日」のように楽しめる。WOWOWシネマ録画視聴。
本作はみんなに愛される英国ロイヤルファミリーのラブストーリーだ。
エリザベス女王が19歳の時、お忍びで外出した実話を基にした映画で「ローマの休日」の英国王室版と言える。
日本の皇室については恐らくこのような映画の製作は難しいだろう。それだけ英国王室は庶民に開かれており、寛容さがあるのだ。
戦勝記念日のごった返したロンドンを背景にした、二人の王女様のハチャメチャぶりは面白い。ただ、エリザベス女王はある程度尊厳を保っているが、妹のマーガレットは自由奔放な性格として描いており対照的だ。マーガレットは観てて冷や冷やする。
エリザベスのお相手役の空軍兵ジャックは異色な存在で、当初王室に対して反逆的だ。ただ、人間味あふれる優しい人物として描かれており良い配役だ。冒険が終わった未明、ジャックの母親とエリザベスの面会はこの映画の見所で心打たれる。
英国らしい好きなシーンがある。ジャックとの空軍基地での切ない別れのシーンだ。道端に咲く一輪の花をジャックが贈る。そして、エリザベスが別れの一部始終を見ていた門番兵に「他言は無用よ」とそっと声をかける。門番兵は知らんぷりを装い上を向いている。このおしゃれでウィットに富んだシーンは、王室に対する英国人の優しく温かい気持ちが感じられる。
本作はテンポが良く、上映時間も97分と観やすいラブストーリーとしてお薦めです。
