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プロヴァンスの休日のRyuのレビュー・感想・評価

プロヴァンスの休日(2014年製作の映画)
3.8
長男 アドリアン、長女 レア、聴覚障害を抱える次男 テオ の3人は祖母と共に2ヶ月の休暇を過ごすため、祖父母宅のあるプロヴァンスに向かっていた。3人の母は実家から家出をしており、17年間疎遠状態。そのため、3人が祖父に会うのは初めてであった。初めての対面を果たす祖父と孫たちであったが、頑固で気難しい祖父と早くも障壁が生じる。

やはり頑固爺さんもののヒューマンドラマは間違いがないですね。偏屈爺さんがどんどん柔らかくなっていくパターンをちょくちょく見かけますが、今作のジャン・レノ爺さんはド偏屈って訳ではなく、根は優しいけど不器用って感じですかね。
孫は上2人はティーンエイジャーで下の男の子は男児って感じです。今作はおじいさんの成長の物語でもあるけど、孫の成長の物語でもあると思いました。
プロヴァンスの田舎で夏を過ごしていくうちに色んな出来事があって、少しずつ距離を縮めていく祖父と孫たち。正直ドラマとしてはそこまで濃いものではないんですが、今作の雰囲気にはこれくらいのあっさりとしたドラマの方が合うんじゃないかな と思いました。
その雰囲気の良さは1級品です。プロヴァンスのロケーションが最高すぎる。広大な自然や田舎の町並みなど、めちゃくちゃ温かみがあって美しい風景でした。音楽の使い方も良き。「サウンド・オブ・サイレンス」「ヴィーナス」「天国への扉」「ハイウェイ・スター」など、オールディーな曲がめちゃめちゃカッコよかったです。エンディングのタブレット演出もオシャレでした。
出会いは最悪。だけど、一緒に過ごしていくうちにどんどん打ち解けてくる。プロットとしては、真新しさはないかもしれませんが、間違いない安定さがあると思います。雰囲気の良さもあって、ホントに旅行してるような気分にもなっちゃったり。まさにひと夏の思い出って感じで、あったかくて癒される作品でした。
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