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イノセント15の8bitのレビュー・感想・評価

イノセント15(2015年製作の映画)
3.8
【追記のため再レビュー。というかただの上映会レポです…スミマセン】

15歳。
尾崎が「盗んだバイクで走り出す」と歌った歳。

この映画はまさに、15歳のふたりが盗んだバイクで走り出す物語。
ふたりはなぜ走り出さなければならなかったのかを、寡黙に、光と影で包み込むように描いていたと思う。

15歳。
人を好きになるという感情に向き合いはじめる歳。
はっきりと〝好き〟という気持ちを持つ女の子と、その気持ちがまだ理解できない男の子。
ましてや自分の父親がゲイだったというショックゆえに、自我さえも揺らいでしまう。
〝好き〟の気持ちの先にある、〝愛〟がどんなものかもわからないふたりは、まだお互いを傷つけあう事すらもできず、もがき続ける。
そんな彼らの姿を痛々しく感じるとともに、ある意味とても羨ましかった。

主演のふたりの繊細さにはとても引き込まれた。とても無垢だ。
まわりの大人の演技が作り物に見えてしまうほどに。

小川紗良さんの、透明感がありながら物語の中の人物として確かに息づいてゆくようなリアリティのある存在感に心奪われた。
とても映画映えする、これからもスクリーンで会いたい女優さんだ。


【追記】
1月20日、松本CINEMAセレクトアワードに小川紗良さんが選ばれ、彼女の出演作および監督作がイッキに観れるという奇跡のような上映会があり、
いままでネット配信でしか観たことのなかった「イノセント15」、「聖なるもの」そして「BEATOPIA」を大きなスクリーンで鑑賞することがついに叶いました。
小川紗良さんご本人も来場し、上映後のアフタートークで3作についてのお話などをたっぷり聞くことができました。
イベント後のロビーでもサインや握手にも快く対応してくださり、少しだけお話ができたりと、とても楽しい上映会でした。
それにしてもね。間近で見る小川紗良さんは本当にキラッキラしてましたね。
なんかね、もう見てるだけで身体の毒素が抜けてゆくようでしたわ。
最近、感動や感嘆をあらわす言葉として「尊い」ってよく使われますけど、まさにこういうことなんだなと思いました笑。

今回上映された3作品とも全く違うタイプの役なんですが、それを見事に演じている事に加え、演出力にも確かな可能性を秘めている。
改めてこれは凄い女優・監督さんになるなと。こんなに間近でお会いすることができた事が一生の自慢になる日が来るなと確信いたしました!
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