のふのふ

ミュートののふのふのレビュー・感想・評価

ミュート(2018年製作の映画)
3.9
〝彼に言葉はいらないわ〟

監督はデヴッドボウイの息子であるダンカンジョーンズ。

近未来のベルリン。声を失ったバーテンダーのレオ。同じクラブで働く恋人ナディーラの行動を不審に思っていた矢先、彼女は突然姿を消す。ナディーラを探す為、レオは裏社会に足を踏み入れるが...。




Netflix限定作品。
近未来のベルリンが舞台。
ディストピアSF感はブレードランナーっぽかったですねー!

となると怪しい日本要素も沢山...
機械のダッチワイフが出てくるシーンで流れてる「こんにちはぁー!楽しんでるぅ〜?」っていう謎の日本語ソングはクセになりそう....笑
そしてアレがデカイ...笑


ただ、ガッツリSFというよりもあくまでそれは背景!
作中で繰り広げられる人間模様は現代と地続きな印象でした



主人公は声を失った男レオ。
寡黙な男と暴力という点はドライヴっぽい。
演じるアレクサンダースカルスガルドさんはステキな俳優さんでしたね!
一切喋らないんですが、プールでのシーンは胸を打ちました(´・ω・`)
愛する人の為に自分を犠牲にするその姿はかっこいい



アーミッシュが主人公っていう設定も個人的には新鮮でしたね!
近未来世界での紙とペンのアナログ会話っていうのもギャップ!
ただ自分のアーミッシュに関しての知識とかはないので信仰とかそこらへんの背景みたいなのはもっと深いものがあったのかな...




あと強烈だったのはポールラッド!
アントマンでも娘を持つ父という役でしたがそのイメージが強かったので、
今作の役柄はなかなか観てて苦しかったですね...。


とにかく口が悪いし、小悪党臭がすごい...笑
普通に会話してるのかと思いきや耳につけた機械で電話してたみたいなシーンが多かったですね!
会話中にやられた身としては、すごい不快感...笑
終盤のレオとの対峙でやられちゃう箇所はかわいそうでしたが...


にしてもやたら音声認識が多かったし、近い未来もあんな風になるんですかね...
siriちゃん頼んだ!






あと、ダンカンジョーンズ監督は「月に囚われた男」という傑作を世に送り出しているんですが、
この映画と今作が同じ世界なのはおもしろかったですね!
劇中のテレビに映ったのはなんとルナ産業のクローン裁判!
「私はベルです」「俺も!」「おぉい!俺もベルだ」
会場内がサムロックウェルだらけ!笑
サムロックウェルのTシャツ着たサムロックウェルがいるのは笑った!




そして、
最後に出てくる、「父であるデヴィッドジョーンズ」に捧ぐという字幕。
そういえばこの映画は親子のお話でもありました。
舞台もベルリン。
やたらとイルカが出てきたのはなんだったんでしょうか??
救済の物語でもあったのかな?
とにかくものすごくパーソナルな作品なんだろうなという印象です。




以上、「ミュート」!
ロッテントマトのトマトメーターではなんと今作の支持率10%!!笑
それでも好きな監督さんだったので恐る恐る観たのですが
個人的にはおもしろかったです!
オーディエンススコアも50%くらいで割れてたので評価は分かれそう...

劇中でもネタとして出てきますが、同監督の「月に囚われた男」は本当に傑作なので観てください!
こちらを観た後にミュートを鑑賞するともっと楽しめると思います!
オススメですー!
のふのふ

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