haru

ミュートのharuのレビュー・感想・評価

ミュート(2018年製作の映画)
3.5
父と乳母に捧ぐ。

小さい頃の事故により声を失ったレオは、恋人ナディーラと幸せに暮らしている。ところが突然ナディーラが失踪、レオは彼女の行方を追う。

まず思ったのが「ブレードランナー?」。(レビュー見たら皆そう思ってた)あちらほどハイテクではなさそうですが、逆にブレードランナーぐらいの世界に至ったあとは、古き良き時代に逆行するのかな?電話帳にはびっくりしちゃいましたけど、あの時代だったら絶対アーミッシュな私(何の信条もない)からすると少しホッとしました。
レオのナディーラへの一途な想いと相変わらずのイケメンっぷりには頭が下がりますが、テーマは親子。レオの敵(?)となるカクタスは、すぐキレる「ヤバいやつ」ですが、娘のこととなると過剰に反応してしまうのも、元妻と親権を争ってモメるのも、すべては娘への愛のため。(娘に近づくやつは全員殺ス!)こんな危険すぎるお父ちゃんは嫌だけど、愛はものすごく伝わりました。そしてそんな怖いお父ちゃんのオトモダチの複雑すぎる感情がSFには不似合いで、この映画の本当の主役は彼だったのかもしれません。
少々ストーリーがとっちらかった感じで、途中で飽きちゃったりもしましたが、親子として心を通わせるシーンは、監督の大切な人たちへの想いを感じました。
haru

haru