TAK44マグナム

マーダー・パーティーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

マーダー・パーティー(2007年製作の映画)
3.7
リアル血まみれアート完成!


アントン・イェルチンとイモージェン・プーツがネオナチと殺し合いになる「グリーンルーム」のジェレミー・ソウルニエ監督のデビュー作。
「グリーンルーム」からささくれ立った雰囲気を取っ払って、ブラックな笑いだけ残したような感じでしてね。
展開に勢いがない「グリーンルーム」よりも、本作の方が3割増しぐらい面白かったですよ。


路駐を取り締まる駐禁監視員をしているボンクラ主人公。
世間がハロウィンで浮かれる中、一人ぼっちでして、飼い猫にもソファを占領される始末。
でも、一枚のパーティ招待状を拾ったので、段ボール製のコスプレ衣装と手土産のカボチャケーキを作って、いそいそと出かけます。

指定された会場に着くと、既に先客が数人いましたが、みんな顔なじみのご様子。
見渡すと、どうしてだか、そこらじゅうに置いてあるチェーンソーや斧。
料理や飲み物ではなく、凶器ばかりが用意されてるではありませんか。
完全に場違いだと帰ろうとする主人公でしたが、何故か椅子に縛り付けられてしまいます。
実は、先客たちは新人の芸術家たちで、金持ちのパトロンに出資してもらうためにパーティを開いたのでした。
人を殺し、それを写真に撮ったり絵に描いたりする、殺人アート目的のパーティを・・・!


前半の、よく飲み込めない支離滅裂な会話劇を面白く観ることが出来るかどうかが肝。
ここで膝を折っているようでは、本作の鑑賞に挫折しっぱなしで一生を終える気配が濃厚ですよ。
つまりは二度と続きを観たいとは思わないだろう、と(汗)
正直、クスリでラリっている連中の会話なのでマトモに聞いてられず非常に瞼が重くなりますが、ある「事故」が起きてからは俄然盛り上がりますよ!
マグナム脳もウトウトしていたのが完全覚醒!
そこから先は、kill!kill!dead!dead!ってな感じで、死体のバーゲンセール状態になっちゃいます!
なので、意味もなく人が惨殺される映画が好きなら、前半を我慢して観るのもアリだと思いますよ。


しかし、なんですね。
ハロウィンってのは、やっぱり怖いものですね。
だって、血だらけで歩いていても通報されずに済むんだから。
みんな変だと思いつつ、「ああ、ハロウィンのコスプレか」って勝手に納得してくれるもの(汗)


この映画から得られる教訓としては、落ちていた招待状を鵜呑みにしちゃいけないって事。
それと、チェーンソーは電動じゃなくてエンジンついてるヤツにしろって事ですね。
レザーフェイスだってコンセントケーブル付きのなんて使ってないでしょ?
屋外で使いにくいから!


結末はあえて言及するほどショッキングでもありませんが、ハロウィンなんて家にこもって一本2ドルのホラー映画をVHSデッキで、菓子でもつまみながら(しかし、なんでアメリカの菓子ってあんなにカラフルで毒々しいのだろうか?)観ているほうが良いに決まってるだろ!という監督のありがたい教えに「ホントだよね」と頷くばかりです!
それにしても、ノートパソコンも携帯もある時代に、主人公はブラウン管テレビとVHSデッキで映画を観ているわけで、何だか(心の中で)泣けました。


もしも、本作を観てみようかな?と思う方がいらっしゃいましたら、とりあえずウォルター・ヒル監督の「ウォリアーズ」を先に観て、ベースボール・フューリーズってやっぱり最狂だぜ!とかなんとか、ビシッ!と予習しておいた方が、より楽しめる・・・かもしれないし、関係ないかもしれません!


NETFLIXにて