エミさん

ブランカとギター弾きのエミさんのレビュー・感想・評価

ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)
2.8
フィリピンのマニラ、スモーキーマウンテンで撮影されたストリートチルドレンの話。国籍もなく社会的地位も分からない子供達が、危ない物に囲まれた所で、プライドを持ってたくましく生きている姿が印象的。
居住者、労働者、観光客、障害者、孤児、トランスジェンダー、犯罪者などなど、とにかく沢山の人がそこには混在して、いろんな事が交差して、立体的になって、日常として消え去って行く。同じ社会的弱者でも、境遇や価値観は千差万別。皆、そこで生きていくために必死。
発展途上国の現実を映した映画なので、いい話とは言えないかも知れないが、それらの人々が交差していく様子は、幸せ探しのために営まれていることがよく伝わってきた。
ブランカの歌には生きる力がこもっていた。とても魅力的。聴き入ってしまった。劇中で演奏されるフィリピン民謡「カリノサ」も、温かい感じで良かった。