回想シーンでご飯3杯いける

ブランカとギター弾きの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)
3.6
フィリピンのスラム街で暮らす孤児の少女ブランカが、目の不自由なギタリスト、トミーと出会い、成長する様子を描いた作品。監督は、海外を拠点にする日本人なんだとか。

ブランカ以外のキャストは、全て実際の路上でスカウトしたそうで、特に子供達の自然な演技が良い。ブランカを始めとするストリートチルドレンを搾取する大人達も、腹立たしいのだけれど凄くリアルだ。

題材的に説教臭い感動物語になりそうな所を、良い意味で素人っぽい演技や言葉少なな脚本、77分というコンパクトな尺、そしてトミーが奏でる味わい深いギターの音色で、辛さを持ちつつ、爽やかな雰囲気でまとめ上げている。ブランカが着るオレンジのワンピースを始め、欧米で撮られた映画では味わえない、ナチュラルな色彩も魅力。