オレンジが目に焼き付く。
ドレス、夕焼け、温かい心の色。
フィリピンの路上で暮らす孤児のブランカは、盗みをしては空き缶に小銭を貯めていた。
“お母さんを買いたい”
盲目のギター弾きのピーターと出会い、歌うことを覚えるが、現実は甘くない。
ブランカや、街の孤児たちが口にする言葉が鋭く突き刺さる。
“子どもを買う大人はいるのに、子どもが大人を買っちゃいけないの?”
“出生証明書のないヤツはこの世に存在してないのと同じだ”
孤児のセバスチャンがブランカを姉のように慕い、危機から救い出そうとする姿は子どもとは思えない。
そよ風とギターの音色。
言葉の要らないラストシーン。