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ブランカとギター弾きのan0nym0usのレビュー・感想・評価

ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)
4.0
長谷井監督は海外を拠点に活動していた方だそうで、あのクストリッツァ監督とも一緒に仕事をしてきた経歴の持ち主。

そんな彼が描いたのはフィリピンの片隅で生きるストリートチルドレンの女の子と盲目のギター弾きのお話。

生きるってことの、純粋な輝き。
関わりってものの、優しいぬくもり。
現実の冷たさも…真摯に描かれてる。

素朴だけど、余韻の残るいい作品でした。

まだ言葉が散乱していて、何から手を付けようか…って感じなんですけど。不純物だらけの私には、とても眩しかった。

寂しい。悲しい。切ない。

お腹が減るみたいに…
いつの間にか心も飢えているもの。

満腹になれなくてもいいの…
ちょっとだけ食べれば、今は凌げる。

その『ほんのちょっと』の施し。
心許せる誰かとの、優しい時間。

私たちの無意識な傲慢は冷たい。
それでも身を寄せ合う事で救われて、そんな小さな事でも明日を生きていける。

私たちは暖かな部屋の中にいて、窓の外で凍えているマッチ売りの少女を見ている…

少女を殺したのは寒さ?
それとも…

その答えは、それぞれの心の中にある。

そうやって、外側から自分たちの姿を見せてもらえる…この純度の低い『生きる』の価値を考えさせられる。

幸せって何?

少しでも、心が満たされること。

短い尺の中だけど、コンパクトにエッセンスが凝縮されていて…素晴らしかった。

寒い日の温かな陽射し。
凍える身体に染みる、あのぬくもり。

寄り添うって事は、それに似ている。

なんか…人恋しくなっちゃった😓
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