まりぃくりすてぃ

こんぷれっくす×コンプレックスのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

4.8
すごく面白い。
リミテッドアニメ(人物の手足や姿勢等をムリに動かさず“不自然さに任せる”)なのだが、まばたき(みんな目が澄んでるし)の回数がやたら充実してたりして、絵的に全部OK。人物画うまいよー。
そして声優! 主役ゆい役の林奏絵さんの甘いしずくのようなリアル&超リアルな一声一声が、的確さの真ん中にほぼ必ず納まっていったよ! 武尾くん役・友人役・お母さん役らもそれぞれたぶん完璧。私の大好きなミディアムレアの新鮮100%ビーフハンバーグのような美味しいやりとり(特に、女友達との夕焼けバックの恋バナと、お母さんのあったかさの包み込み)生々しくイタダキました。
鈴虫とかもよかった。
唯一、お父さん役だけがビミョーだった。。

さて、腋毛フェチのゆいのコクりシーンの後半で、私はクスクスしながら同時に泣いた。ほかのお客さんたちはもっと声出して笑ってたけど、、、私のほかに、ひそかに同時に涙流してた人は手を挙げてー。(あ、ここにも? そっちにも? ……いない……?)
「キミのも見せて」は、J文学の最高傑作短篇『憂国』の名場面中の名場面「わたくしにも、見せて」を想起させたりした。
ところでこの映画、、男女設定をほんのチョット逆にしたら一気にヘンタイか犯罪みたくなっちゃうのがつらくない? 武尾くんがほくろフェチとか、、、それはどう描いてもムダである。引いちゃう(哀笑)。


というわけで、本作は激アリ!な優秀アニメ。ただ、夏の終わりに向けて「いよいよどうなってくか」の終盤とならず、「もうこれ以上の進展はなさそう。後始末が残ってるだけよ」の侘しさがちょっぴりあった。