このレビューはネタバレを含みます
毎度トム・クルーズの身体が心配になるミッション:インポッシブルシリーズの最新作。
シリーズでは初めて前作から監督が続投しており、そのためストーリーも『ローグ・ネイション』と直接リンクしています。
100回以上撮影したというスカイダイビングや自らヘリコプターを操縦してのアクロバット飛行、文字通り骨を折ったジャンプアクションなど、普通のアクション映画ならここ一番の見せ場として使われてもおかしくないような映像が惜しみなく押し寄せてきます。これほど贅沢なアクション映画は他にありません。
M:Iシリーズはストーリー云々よりはかっこいいアクションを楽しむ作品ではありますが、今作はスパイ映画らしくストーリーもなかなか重厚です。
IMFはもちろん、CIA、アポストル、MI6など、三つ巴どころか四つ五つの陣営が複雑に絡み合います。前作の内容ありきで展開が二転三転していくため、結構集中して見ていないと置いていかれます。
先の読めない展開は見ていて楽しく、個人的にはシリーズ最高傑作の『ゴースト・プロトコル』にも引けを取らない面白さだと感じました。
そしてなにより、今作で素晴らしいと感じたのがヒロインの扱い方です。
この手のシリーズ物でありがちなのが、過去作で命懸けで助けたヒロインが脚本やキャスティングの都合でフェードアウトしてしまい、また別のヒロインが現れるというパターン(実際M:Iシリーズでも2で登場したヒロインがいつの間にか消えたりしてます)。
しかし、三作目以降ずっと、イーサンは妻であるジュリアのことを深く案じています。
過去作を無かったことにして新たなヒロインと簡単にくっつくような展開にするのではなく、イーサンにとっての清算や決着といった流れをきちんと描いているのが非常に好印象でした。
特にラストの会話がすごく良い。
そのほか、懐かしの崖登りもあったりして、随所に過去作へのリスペクトを感じる素晴らしい続編映画でした。六作目にもなって面白いってすごいことですよね。
副題のFalloutもダブルミーニングになっていて見事。
劇場で見れて本当に良かったです。
2023/7/26再鑑賞