マクガフィン

ミッション:インポッシブル/フォールアウトのマクガフィンのレビュー・感想・評価

3.4
丸型のプルトニウムは如何にも胡散臭い造形で失笑。案の定、落ちたり転がる様子が可笑しくも。ラグビーのようなスクリューパスを期待したが、流石にそこまで粗雑では無かった。

前半の如何にも相性が悪そうなCIAとのコンビは、反目しながら共闘し、思いのほかに息が合うことに驚く。後半への展開にも効果的に。
耳鳴りのような、夢や妄想などの苦悩や葛藤シーンを挟んで、終盤に呼応するシークエンスも巧みに。

ヘリや車やバイクの乗車系アクションが多いが、戦ったり・跳んだり・走ったり・落ちたり・登ったりして、純粋に肉体を使ったアクションを挟むことも効果的で、とにかく痛快で爽快に。
物質の三態が転移するようにアクションが変わる模様に感心し、前作の方がアクションの背景が大きく感じたが、迫力や臨場感は今回の方が上で、純粋に面白い。凄く感じた所以は、アイデアの豊富な種類による見せ方の上手さか。アクションの内容や標高や場所が変化して、一端リセットするようになる事も長尺の割には飽きがこない要因に。

そんなアクションの凄さだけに満足しなく、タイプの違うヒロインが3人も登場するおまけ付きに。新ヒロインのヴァネッサ・カービーの清楚さと妖艶さが相まった、敵か味方か判別しにくい容姿が印象的に。前作に引き続き、黒のバイクスーツでバイクに乗るレベッカ・ファーガソンは抜群にカッコ良い。
ミシェル・モナハンとの別れのエモ的要素を取り入れる模様も巧みで、シリーズの一端の区切りに。その旦那のあっけらかんとした佇まいも効果的で、緊張感を中和することと何も知らない一般人のメタ的にも。

様々な組織や黒幕が絡む権謀術数は話が込みいり、良く分からないことはスパイ映画ならではに。何となく爽快に感じる説得力はトムを見ていれば十分にある。チーム・トムとしての結束の強さもアップし、次作も楽しみに。