トム・クルーズ人生の最高峰を目撃した。
彼は何者なのか?
もはやスーパースターではなく怪物である。
いつものトムのナルシスト映画か?
イエス。
しかし極限まで研ぎ澄ましているためにアートとして昇華した。
ほとんど狂気の男が頑張るドキュメンタリーになっていて、最近流行りの虚構と現実の境目が曖昧になってくる。
サイエントロジーとは、ここまで人を強くし、絶対感を与える宗教なのか…何て凄い宗教なんだ…とか思う。
映画とは虚構の中に、いかにリアルを導きだすかが傑作の鍵となる。最近では「この世界の片隅に」、「カメラを止めるな」やイーストウッド作品がメタ要素を研ぎ澄まして、スクリーンと現実の境を侵食してきている。
しかしトムのやり方は至ってシンプルで、自分が限界を超えてくるという手法。そしてまたイーサンを愛した女たちが出てくる辺りに、ニコールやケイティを重ねて観てしまって、ミッションシリーズとしてよりも彼の人生の集大成のようでもある。
彼は死線ギリギリの淵で、何を見たのか?
ひたすらインフレするアクションの中で、トムの人生でしか表現できない何かを見いだしてるのだと思う。
後、一回で良いから不可能ミッションに挑戦し、我々に死を乗り越えた先を見せて欲しい。
もはや、宇宙空間から成層圏への降下しか残されていない気もするが必ず生き残って成功させてくれると信じている。
命を懸けてでしか到達できないものがある、と教えてくれたトム。
今、この時にしか見れないトム・クルーズ芸術をIMAXで観なければ映画人生の損失である。
これは本物の芸術作品だ。