くろねこヤマ子

エメラルドのくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

エメラルド(2007年製作の映画)
4.2
アピチャッポン監督作品。

閉館した
ホテル・エメラルドの
一室の記憶を記した作品。

室内には光が差し込み、
羽毛のような光の粒が
日常音とともに舞う。

いつの間にか
室内に他愛もない話が聞こえてくる。
おばさんの若い頃の恋バナとか。

そこに人はいない。
それは部屋の記憶。

粒は濃くなり、数を増やし、
色を付ける。
空気は充ち満ちる。
光は記憶の粒だ。

こんな表現があるのだと素直に驚く。
ほんと、素直にそう思ったんです。

ジンワリと浮かぶ人影も。

半透明な映画でした。
そしてやっぱり好きでした。