滝和也

名探偵コナン 純黒の悪夢の滝和也のレビュー・感想・評価

名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)
4.0
アムロ「シャア!
そのメガランチャーは
飾りか?」

シャア「墜ちろ!」

百式のメガバズーカ
ランチャーが漆黒の宇宙
を引裂き、敵機を射抜く!

ガンダムファン垂涎の
名シークエンスが脳内変換
により炸裂する!

「名探偵コナン 純黒の悪夢」

赤井秀一、安室透、ガンヲタである作者青山剛昌が夢を叶えるため、創り上げたキャラクターが遂に劇場版にて共演!池田秀一、古谷徹の声を持つ、その二人の対決、共闘が見られるこの作品は逆襲のシャアでありZである!

これを見るためにコナン君を見始めたと言っても過言ではないですね(笑)この二人の共演は、アムロとシャアのイメージが強過ぎて中々難しい。それを逆手にとったキャラ設定、シナリオ造り。もはや確信犯。冒頭に書いた「墜ちろ!」の台詞をシャア=池田秀一=赤井秀一に言わせたいがためのアクションシークエンス(笑) もはや感服の至。まぁメガランチャーではなくライフルですが、こうとしか聞こえない…(笑)

冒頭から黒の組織キュラソー(キュベレイではない)の逃走車を追う白きRX-7(78ではない)の安室透と赤きマスタングの赤井秀一と言うワイスピ並みの爆速カーチェイスからスタートする今作は黒の組織を敵とするサスペンスアクションとして舵を切り、推理ものを捨て完全に開き直った作品故に見事な纏まりを見せている。

僅か2日間の出来事であり、公安、FBI.警察、黒の組織、コナン達を見事に組み合わせ、そこに凝縮された物語はスピード感抜群。記憶を失った黒の組織のエージェントキュラソーとノックリストを巡るハードな争奪戦に少年探偵団とキュラソーの心通わせる暖かみのあるストーリーが加えられ、ラストでは涙する様な見事過ぎる脚本と演出。ガンヲタを納得させるだけでない、極上のエンターテイメントに仕上がっている。

アクションとして振り切った故にアクション場面もかつてない迫力で、コナンのピンチ、そして活躍も並ではなく、アムロとシャアの客演を受け、より派手なモノになっており、コナンもニュータイプに昇華していると言える(笑)

余談だが…敵にキシリア=小山茉美、更に公安にカミーユ=飛田展男がおり、端役ながらガンヲタを更に狂喜させるのは言うまでもない。これにハマーン様がいれば…(笑)

劇場版コナンは名探偵としての推理、劇場版としての派手なアクションがバランス、比重を難しくしていたが、この開き直りのごとく、アクションに振り切った事が圧倒的な作品を創り上げた。コナンのもう一つの側面である、嘗て作られていた荒唐無稽な刑事アクションを始めとした邦画アクションの系譜を引き継ぎ、邦画実写では作り得ない極上のエンターテイメントとして昇華している。

コナン作品が1年延期された事でゆっくり楽しめておりますが、後2本まで来ました!最新作は見ちゃってますからね。後2本見て、何とか劇場に行ける環境になってくれれば、最新作は劇場で見たいものです。
滝和也

滝和也