とるて

インサイダーズ 内部者たちのとるてのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

癒着する権力者たちと、彼らに立ち向かう主役二人の対比がすごくいい。昔からの縁で繋がる有力者たちは目下の人間には高圧的に接し、悪趣味な性接待を繰り返して親睦を深める。
他方、主役のひとりであるサングは落ちぶれてからも「豆一粒でも分け合おう」と部下を大事にする。もうひとりのジャンフンも、出身・学歴・コネがものを言う検察のなかでそのどれにも恵まれず、スポンサーの申し出も一蹴し、実力だけでここまできた異色の存在。

ジャンフンは年上のサングに敬語をつかわないし(そしてサングの片手が義手であることにもあまりかまわない)、二人が食事をするときに接待役の女性は登場しない(なおかつ二人が縁側で焼肉を食べるシーンは別荘での接待よりずっと寛いだ良い雰囲気で撮られている)。年長の男性が女性及び年少の男性を支配して連帯するいびつな仕組みから離れたところで二人は組み、そして勝つ。そこが最高に好き。
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