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日本で一番悪い奴らのメタのレビュー・感想・評価

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
3.8

・綾野剛祭り


本作を見て、一気に綾野剛が好きになった。シーンによって、まるで別人のように見える彼。不細工なオヤジにも見えれば、精悍でかっこいい男にも見える。

そんな彼がどんどん進んでいく。
これは、どうなっていくと表現すればいいだろう。そこにある大きな熱量や生き様、これらはなかなか言葉で言い切れないものだ。その雰囲気の表現が、この映画の上手なところなのだと思う。それくらい、エネルギーがある画だった。

彼の人生は、ジェットコースターのような人生だ。そして、そこには、「人間という生物」の底から湧き上がってくるような何かが感じられる。腹の底からあふれ出すような何か、だ。この映画では、それは、「欲」だろうか。その放出の勢いの表現が凄まじかった。

みなさんはここまで欲を放出できているだろうか?その熱を悪事に向けてはもちろんいけないが、「欲動の強さそのもの」は、自分の人生にとってかなり重要なことなのでは、と私は思う。その欲を素直に生活の中で昇華できているなら、とても幸せな生き方ではないだろうか。

この映画では、欲の表現としてのエロいシーンがとてもいい。役者の身体を張った演技は、しっかりと「欲」が視覚化されている。エロに生々しい強さがあった。

悪い奴ら。
彼が悪いのか、それとも人間という生物が本来持っているどうしようもなさからくる悪さなのか。とりあえず、そう簡単に善だの悪だと言えるもんじゃないことはわかる。因果関係の実態は、人間環境という複雑な要因が絡み合っている。その混乱さが嫌で、人間は後から価値観というラベル付けをしてしまうのだろう。こういったラベル付けにはあまり意味がないことが、こういう人間映画を見ればわかる。

原作小説がかなり面白いらしい。読みたい。