xyz

日本で一番悪い奴らのxyzのレビュー・感想・評価

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
3.4
綾野剛のオラつき具合がウケる。


社会に出て1つの組織でしか働いたことがないと、その組織の常識や価値観が全ての基準になるのはよくあること。”純粋培養”されるのだ。
主人公・諸星は悪い意味で純粋培養された人間だ。それは個人の問題ではなく組織の問題で、だからこそタイトルが複数形「奴ら」になっている。
会社組織で働く者からすると警察組織は営利団体ではないと言うのが一番の違いで、それなのに諸星は「この稼業」とか「この商売」とか言っていて違和感ありまくりである。「稼業」の前にくる最もしっくりする単語は「ヤクザ」だし、本来は利益を追求しないのに「商売」とか苦笑を通り越して唖然とする。
やってることはヤクザのシノギと同じだもの、唖然としますよ。
もっと唖然とするのは一切の責任を取らない北海道警だ。諸星は決して被害者ではないのだが、”エース”として持ち上げ、切り捨てる。
道警の上層部が描かれていないのが、かえって切り捨ててるのを強調してる。組織全体から見たら単なる駒なのだ。

実際にあった稲葉事件というのが基になっているようだが全く記憶にない。これ程センセーショナルな事件なら東京でも報道されていたと思うのだが・・・ それも事件の闇なのか・・・


ピエール瀧はヤクザとか悪徳刑事がホントに良く似合ってる。
もっと見たかった。
xyz

xyz