スギノイチ

資金源強奪のスギノイチのレビュー・感想・評価

資金源強奪(1975年製作の映画)
4.4
もうとにかく面白い。
『突破口!』や『ゲッタウェイ』的な「強盗後アクション」と深作式猥雑演出が上手いこと絡み合っている。
70年代の東映にありがちな無闇な猥雑さではなく、決めるトコはきっちり決めるのでメリハリが効いているのだ。
リアルとグロテスクを求められる実録モノではこういう配合は出来ないだろう。
通天閣から梅宮辰夫に狙撃させ、相手を硬直させた状態で悠々と金を強奪。
梅宮辰夫のスナイピングスキルが高すぎることは置いとくとして、大胆不敵で最高に痺れる強盗シーンだ。

同じ深作作品で『いつかギラギラする日』という犯罪映画がある。
『いつギラ』は嫌いな映画ではないが、狂気や暴走を狙いすぎて滑っている部分がかなりあった。
この映画は『いつギラ』より20年近く古い映画ながら、その辺のバランスが物凄く整っている。
登場人物全員のキャラが立っているし、犯罪シーンはどれも大胆不敵でインパクト強し。
特に、一見クールながら中身はギラギラ迸る北大路欣也が最高。
必然的且つ自然なギラつきだから格好良い。空港のお姉さんとのやり取りもイカしている。
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